舛添元都知事は5千万円、茅ヶ崎ホノルルは3千万円

都民に批判された出張費

元都知事の舛添氏といえば、 都の職員ら計20人でパリ・ロンドンを視察に訪れた海外出張費が5000万円以上になり、最高級ホテルのスイートルームに宿泊、都民から「とんだ大名旅行」などと批判された。

都のHPによると、この海外出張は2015年10月27日~11月2日(5泊7日)の日程で、舛添知事を含む、政策企画局や五輪・パラリンピック準備局の職員20人が現地を訪れ、5041万9000円を費やしたことが報告されている。

また、10月19日~20日(1泊2日)には韓国・ソウルを訪れており、このときは、11人で約645万円かかっていた。

インターネットでは、こうした東京都の海外出張費が「いくらなんでも高すぎる」「まさに税金のムダ遣い」と、取り沙汰された。

茅ヶ崎市のホノルル出張47名、滞在日数250日

それだったら、茅ヶ崎市も負けていない。

市が『ホノルル姉妹都市提携』のために使った出張費の金額、出張回数と人数、のべ滞在日数には改めて驚く。

ホノルルと姉妹都市を提携するまでの、わずか10ヶ月ほどのあいだに、ホノルルへ行った回数は、市長4回、副市長8回、職員(部長、議会事務局を含む)のホノルルへ行った回数31回、議員が4回、合計すれば47回。

つまり往復旅費だけで47名分を使っている。

市長がホノルル往復30万ほどの旅費なのに、一般職員の旅費が1名分だけ70万ほどになっていたりする。

また、のべ滞在日数は250日に及び、ホノルルに1ヶ月にわたって滞在していた職員もいる。 

現地でサーフィンしていても、仕事か公務か分からない。

60万の車代、200万の通訳費、商工会議所のメンバーも補助金でホノルルを訪問している。
 
ホノルルと姉妹都市提携後も、市長と職員、議員は毎年ホノルルに出張しているので、総額は3000万円になっているのではないか?

そして、ホノルル側の職員はひとりも茅ヶ崎に来なかった。

舛添氏を上まわる?茅ヶ崎市の出張回数

だいいち、東京都と茅ヶ崎市では予算のケタがマル二つ分違うのだ。

東京都の予算は13兆円(特別会計を含めて)、スウェーデンの国家予算に匹敵する。

茅ヶ崎市の予算は、一般会計710億円、特別会計683億円で合計1393億円。

東京都の一般会計が6.9兆なので、ざっくり言えば東京都の予算は、茅ヶ崎市の100倍ほどの規模になる。

東京が5000万円で「税金のムダ使い」と批判されるとしたら、茅ヶ崎市の予算規模での3000万円、ホノルル出張回数47名分はいったい何なのだろう?

都の予算に換算したら、30億円の出張費になるのだろうか?


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ホノルル・フェスティバル  

舛添氏の海外出張は「就任2年2カ月で、何と9回目」とニュースに書かれているが、茅ヶ崎市など、わずか10ヶ月のあいだに市長・副市長だけで12回、職員と議員のホノルル行きは35回分になる。

また、舛添氏とロンドン市長の海外出張費を比較するデータがあって、都議の調査によると、舛添氏のパリ・ロンドン出張では、航空運賃が約266万円(往復)、スイートルームで1泊約19万8000円だったが、昨年10月に来日したロンドン市長の片道の航空運賃は約66万円(=帰りはポイントを使用)、宿泊費は1泊約3万5000円だった。

このあたりの事情も似ていて、税金で出張を繰り返した茅ヶ崎市にたいして、ホノルル側の市長が茅ヶ崎市をおとずれたのは1度だけで(広島を訪問する途中に寄った)、その時の車代、レセプション費用なども茅ヶ崎市の税金だった。

茅ヶ崎市の財政は裕福という幻想

全国的に茅ヶ崎市の財政は裕福というイメージがあるのだろうか?

テレビ局のスタッフでさえ話を聞くとそう思っているし、市民や市の職員でさえも、市は裕福と信じ込んでいるようだ。

財政については、茅ヶ崎市は県下16市でも常に下から数えるほうが早い、場合によってはほんとうに最下位なのだ。

現実は、とてもホノルルにお大名旅行など、行ける身分ではないし、行っている場合でもない。

危機管理もない茅ヶ崎市

危機管理からいえば、市長、副市長がそろってホノルル出張に出かけて、市を留守にすることが3回もあった。

東日本大震災の後にもかかわらず「危機管理など考えていないのではないか?」と、市民からも指摘されていた。 

ホノルル姉妹都市提携の調印式があったのは、平成26年10月24日。その翌日に、副市長が公務中のサーフィン事故で死亡するという出来事があった。

今年の8月27日の新聞各紙では、この事故は公務災害と認められ、副市長には市から3000万円の死亡見舞金が支給されたという記事が掲載された。

死亡診断書は英語で書かれているはずだが、診断書の原文は公開されておらず、日本語に訳したものだけという。 

当時の在ホノルルル総領事、重枝豊英氏から平成26年9月9日に、メールで一緒にサーフィンをしないかという依頼があり、その後、電話で日程の調整をして、調印式の翌日(帰国する日)の朝7時からサーフィンをしたという経緯になっている。 

ただし、サーフィンは日本を出発する前から公務として行程に組み込まれていたとして、公務災害と認められたが、事前に市議会に配布された行程表には、サーフィンは入っていないし、説明もなかったという。 


★毎日新聞 茅ヶ崎市 見舞金3000万円を支出へ  
http://mainichi.jp/articles/20160827/ddl/k14/010/273000c


柳島スポーツ公園、道の駅

ホノルルル総領事からメールのあったという平成26年9月9日というのは、柳島スポーツ公園の建設と維持管理事業者が亀井工業ホールディングスグループに決定したと、市が発表した日だった。落札金額は74億8758万円。

スケジュール的にはホノルル姉妹都市提携と柳島スポーツ公園の総合入札は、同じ時期に並行して行われている。

亀井工業ホールディングスの相談役は、ホノルルに居住してゴルフを楽しんでいること、商工会議所の会頭も親族が務めていたことなど、自ら神奈川新聞に連載記事を書いている。

ホノルル姉妹都市提携の要望書を市長に提出したのは、商工会議所(副会頭は亀井工業ホールディングス取締役)、アロハ委員会(商工会議所内にある)、観光協会だった。市民全体からホノルル姉妹都市への強い要望があって、要望書が出された訳ではなかった。

柳島スポーツ公園の入札については、採点の土壇場で総合入札ではめったに見たことがないという満点が亀井工業ホールディングスについて、点数が逆転し落札事業者に決定した。

どの部分の提案がどのように評価されて、満点のついた採点であったのか、市への説明を求めて入札の議事録の公開が請求された。しかし、明確な議事録は作成されておらず、録音データは消去という回答だった。また、採点者の原紙は破棄したという説明だった。


さらに、柳島スポーツ公園の隣には「道の駅」が建設される。

予算は当初の2倍になり、柳島スポーツ公園の駐車場(臨時駐車場を含めて250台)に続き、24時間オープンの駐車場(普通車151台、大型車28台など)が小学校の近くに建設される。

周辺への環境悪化も懸念されているが、この計画もまた「道の駅」建設について市民の意見はほとんど聞かないままに、始めから建設ありきで進められている。

道の駅のコンセプトは、姉妹都市提携したホノルル市が感じられる「アロハ湘南初!茅ヶ崎発!潮風薫る“ちがさき愛”いっぱいの交流拠点」と、意味不明だ。

ホノルル提携後も使途不明

ホノルル姉妹都市の提携後も、税金の使途や目的は市民が決めるのではなく、「ホノルル市姉妹都市推進委員会」へ事業が委託された。その委託金から「ホノルルフェスティバル・パレードの演出費」として100万円が、ポンと茅ヶ崎アロハマーケット実行委員長に渡された領収書が出てきたりする。

いつ、どこで、何が話合われて、誰が決定しているのか、HPにも載っていないのでは市民は知ることもできない。
 
ホノルルマラソン会場に、茅ヶ崎市は「PR用ブース」を使用料 38万1682円で借りた。市の職員2名が63万円でホノルルに出張して、会場で茅ヶ崎市を PR した。

税金で借りているブースなので、茅ヶ崎市の公的 PR が目的で、民間には解放していないはずが、民間の事業者が自分の商品の旗をたてて使用している。

事業者は、委託金をもらっている「ホノルル市姉妹都市推進委員会」のメンバーでもあり、茅ヶ崎アロハマーケット実行委員長でもある。商品の旗は、なぜか茅ヶ崎ブースなのに「江の島」であったりする。

ホノルル姉妹都市提携にかかわる税金の使われ方について、茅ヶ崎市ではこういったカオス状態が日常茶飯事になっている。

こういった明確にされない税金の使いかたをチェックするのが、市議会議員の役割のはずだが、議員たちもまた議員交流でホノルルへ行く予算を取っている。「とりあえず取った予算」なのだそうで、使途の目的については、市民に説明できていない。

富山市議会の自民党会派などで、政務活動費の不正で議員が12名辞職した。

たとえ架空の領収書を作らないとしても、税金の使い方へのチェックが出来ないのでは、議員としての資質がないと市民から判断されても仕方ないだろう。