茅ヶ崎公園テニスコート 観客席は本当に必要なの?

住宅の南側に高さ5.5m、長さ80mの観客席!

もし、高さ5.5m の建造物が、住宅まぎわの南側に、80mに渡って作られるとしたら・・・

それも、茅ヶ崎市の設計・計画として進められるとしたら・・・

市民にとっては、いい迷惑!

それが、茅ヶ崎公園テニスコートの移転に伴って、市が設計し計画を進めている「観客席」の建設です。

まず、テニスコート面から1m上の位置から、3段の階段状の観客席が作られます。さらに、観客席の上段には柱が立てられフジ棚になり、その高さは地上5.5m。

その他にも、防球フェンスや防音板が80mに渡って、住宅の南側に張りめぐらされます。
 
周辺住宅の環境は一変して、景観の圧迫感や、大雨時の土の流れ込みなど、さまざまな問題が発生してきますが、いったい、このテニスコートの観客席の設置は、誰の要望で、誰が決定した計画なのでしょうか?

一般のテニス利用者からは、そのような80mの観客席の要望は出ていません。(コート移転について、利用者と意見交換会さえ開かれていない。)

 

普通の公園に観客席はいらない

市の説明によると「応援のための観客席」は、中体連からの要望と言います。しかし、もともと茅ヶ崎公園はスポーツ公園でなく、普通の公園です。

柳島スポーツ公園と同規模の、300〜500人も収容する観客席を、周辺住宅に迷惑をかけずに設置できる広さはありません。このような観客席を持つのは、柳島スポーツ公園、南毛利、小田原などの本格的なスポーツ公園です。

もともと、スペースのない茅ヶ崎公園にあれもこれも詰め込み、コートと住宅の距離がないのに、さらに観客席を作り、その上にフジ棚の柱・・・

5.5m の高さの建造物が、住宅の南側に80m以上に渡って作られる設計になること、その結果は周辺住民への多きな負担という形ではねかえることを、提案した中体連は理解しているでしょうか?

3段の観客席と、その上部に作られるフジ棚や防音板などで、高さが5.5m ! になる建造物が、住宅から見て南側に80mにわたって建設されること。「これ自体がすでに非常識」という意見は、設計を聞いた市民テニスプレーヤーも口々に言います。

今や、どこの自治体のコートも民間テニスクラブも、周辺住宅への配慮なしには運営できない時代。その実情は、むしろ市民プレーヤーの方が理解しています。

今回は、市の都合によってコート4面を住宅街に近い位置に移動するという計画です。 

しかし、周囲の住環境を大幅に変えるという意識と配慮が、市役所の各担当課の職員からも、中体連からも、まったく感じられないのです。

こんな無神経な計画がまかり通っているのは、茅ヶ崎市ぐらいではないでしょうか?


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移転後のテニスコート

柳島スポーツ公園を使えばいい話

*5.5m × 80mの壁が南側にできるのでは、住環境が大きく変わってしまう

*コートを堀った残土が観客席側に盛られる設計で、住宅街に雨水が流れ込む懸念

*観客席の位置が高いために、音が上部からひろがる

*防音のための観客席という意味のわからない市の説明
(それでは、なぜ西側には防音壁がないのか?) 

* 住宅街のコートでは8時からの利用は無理

*ここはスポーツ公園ではないので、観客席は不要  

こういったことが、茅ヶ崎公園での問題点です。


一方、柳島スポーツ公園を税金100億円かけて整備する理由のひとつに、中体連の大会の開催のためというのがあります。それは市のコンセプトです。

柳島スポーツ公園を、中体連が活用すれば解決する話です。

今さら使いませんなんて通用する話ではない。

茅ヶ崎公園の穴ぐらのような狭い、暗い女子更衣室と違って、柳島スポーツ公園には、観客席も、きれいな更衣室も、食事を買える場所も整っていて、しかも落札事業者は、パーク&ライドの実施まで約束しています。

住宅街の公園に観客席を無理やりに設置し、大会であふれた自転車は子ども広場に収容する・・計画も予算もズサンです。

また、テニスコート利用時間についても、市の都合で住宅側にコートを移転する以上、今までと同じ夏場の8時からの利用は無理になります。平塚市の桃浜コートは通年9時、藤沢八部公園コートは通年9時30分と、近隣への配慮は当たり前になっています。 


その他にも

*フジ棚は毛虫が発生し、大きな蜂が集まる。80mもあるフジ棚の管理が大変だが、維持管理費はいくらかかるのか? 

*この複合施設の設計費、建設費、コートの移転費用、建物の解体費用、維持管理費など、総額いくら税金を使う計画なのか?

*広域避難場所としての防災課のデータや見解がないのはなぜか?


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大騒ぎして市が作ったフジ棚、どの課が管理するかも決めず、フジは育たず雑草だらけで放置。ふさけんな! という仕事。


昨年10月24日の、全市民を対象にした「施設づくり意見交換会」の参加者は、たった4人。 

そして、テニスコートのことでありながら、今に至るまで、コート利用者との意見交換会は一度も開催されていません。

「テニス協会や中体連の意見を聞いたから、利用者の意見を聞いている」というのでは、「市民参加」にならないことを、担当課が理解していません。

結局、テニスコートの面数は約束通りに5面作れず、前と同じ4面。ならば、多額の費用かけて移転する必要があるのか・・・?  

今コートのある場所は、ちょうど野球場が南からの風よけになり、周囲の松も風をさえぎっています。移転すれば、吹きさらしになります。 

子どもの遊び場は確実に減る

本来、子どもの遊ぶ公園なのに、遊べるスペースは広がるどころか、狭い人工芝スペースに、子どもは押し込められる設計です。のびのびと体を動かすにはほど遠い。

茅ヶ崎市では主役はいったい誰なのでしょうか? 

市の職員? 市民?

それとも、公園の管理団体ですか? 建設や設計の事業者ですか?

施設を利用する各団体も、あれが欲しい、これが欲しいと提案を出したい気持ちも分かりますが、ぜいたくな施設を望めば、建設費も毎年の維持管理費も増えていきます。それに、施設利用料金も受益者負担として支払うことになります。

結局、タダで利用できるとは限らない、何らかのツケは回ってきます。

さらに、周辺の住民が、これから先ずっと我慢を強いられることで施設利用が成り立つということは、あってはならないことです。 

どうやら市民ファーストを一番わかっていないのは、市の職員ではないでしょうか?


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