ブロック塀をめぐる顛末 茅ヶ崎市 

平成30年度の受付は地震前に終了

2018年6月18日、大阪府北部を震源とする M6.1の地震が発生。

最大震度6弱を記録した高槻市では、小学校のプール沿いのブロック塀が倒れ、登校中の児童の尊い命が失われました。

地震から1週間後、茅ヶ崎市のホームページのトップにも、「危険なブロック塀などの解消対策について」として、ブロック塀点検のチェックポイントを紹介した記事が掲載された。

さらに、「危険なブロック塀などを撤去し、生垣を築造する場合は、工事費の一部を助成する制度があります。 制度の内容は、景観みどり課まで」と、市民に向けて周知をした。(担当:建築指導課)

・・・と、ここまでは良いのだけど、助成制度のある景観みどり課のページを見ると、赤枠で、

「(注)平成30年度の受付は終了いたしました。ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。」と書かれている。

更新日が5月21日なので、地震発生の前から、すでに茅ヶ崎市ではブロック塀を撤去するための助成制度は使えなくなっていたのだ。

でも、それを建築指導課は知らなかったことになる。

当然に「ホームページの内容がおかしい、景観みどり課は事業をやっていない」という市民からの苦情や問い合わせが建築指導課に入る。

そして、すぐに(6月26日付で)ホームページから景観みどり課の「生け垣の築造の助成制度」は削除された。

地震対策としてのブロック塀の改修費用は、市民の「自己負担」であることだけが強調されたものに変わっていた。

・・・これが、茅ヶ崎市のホームページの奇妙な顛末だった。

30万円しかなかった予算

ところで、ブロック塀を撤去するための助成制度(生垣の築造)は、なぜ、すでに受付を終了していたのだろう?

それは、平成30年度分の予算が、わずか30万円だったためだ。

本来、ブロック塀を生け垣に変えるための「生垣の築造の助成」の予算は、3年間で587万円あった。

しかし、今まで2件しか申し込みがなくて、予算はカットされ250万円に減らされて、今年度分は30円万しかなく、あっというまに足りなくなってしまった。

そのため、茅ヶ崎市では大阪府北部地震が発生してから、ブロック塀を撤去するための助成システムは空白になっている。

 
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みどりは 1年間でたった37万円の予算

「生垣の築造の助成」は、ブロック塀を壊して生け垣に変えても、高齢者はその後の植木の管理が困難になってしまったり、それなりに課題はあった。

こういった事故が起きなければ、行政もまた真剣には考えてこなかったのだろう。 

「生垣築造補助金」は、みどりを増やす目的と、防災としても役に立つ制度だった。

もっと周知に力を入れていれば、申し込みがわずか2件ということはなかったはず。

新築の家に木を植えてもらう「記念樹配布」は、ほぼ満額に予算を消化していて、人気があったのになぜか打ち切りになってしまった。

新築の家だけでなく、すべての戸だてを対象に樹木を配布できるシステムを検討してるからという。(その後、そんなシステムの検討はない。)


今までは(第3次)「生け垣の築造奨励事業」は3年間で587万円、「記念樹配布事業」は3年間で143万円、両方合わせると730万円の予算があった。これだって1年間で243万円なので、みどりを増やす予算としては決してじゅうぶんでない。  

ところが、第4次総合計画として、「生け垣の築造奨励事業」を「民有地緑化推進事業」と名称を変えた事業では、3年間で82万円、1年間で37万円と、今までの10分の1に予算を削ってしまった。

この金額で、茅ヶ崎市のみどりの推進を、どのようにやっていくというのだろう? 

市民一人当りの公園面積が、県でほぼ最下位の茅ヶ崎市。

街なかの保存樹林や借地公園も、次々に消滅している茅ヶ崎市。

いったい茅ヶ崎市は、どこまで真剣に街の緑化や、公園の保存を考えているのか? 


市の意見交換会では、市民から緑化の予算について質問が出ていた。しかし、その時、企画部長から「民有地緑化推進事業」として予算を10分の1にするということは、いっさい説明はなかった。