小笠原諸島西方沖地震 M8.1 深発682km from 茅ヶ崎 

◆気象庁
2015年5月30日20時23分頃、
小笠原諸島西方沖でM8.1 の地震
(北緯27.5度、東経140.4度)
震源の深さは約682km

気象庁|報道発表資料

*気象庁では、M8.1 震源の深さ682kmと発表
USGSでは、M7.8 震源の深さ677km

震源の深さ682km 異常震域が発生

ずいぶん長く揺れていました。
M8.5発生ということをテレビで見た瞬間、津波を考えましたが、船に乗っているような揺れなので深発かなと思ったら、やはりそうでした。
震源が682kmと深い地震なので、津波の心配はありませんという気象庁の発表でした。

小笠原村、神奈川県二宮町で震度5強、埼玉県鴻巣市、春日部市、宮代町で震度5弱を観測。

震源が深い地震では(今回は世界記録的に深かったわけですが)、震源のすぐ上より、震源から離れた場所で揺れが大きくなる「異常震域」と呼ばれる現象が起こります。

深発地震では、沈み込むプレートに沿って地震波が伝わりやすいという性質が表れます。

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小笠原諸島西方沖の地震では過去最大

地震の発生した日の夕方あたりから、すでにユラユラとした微振動はあったように思います。

地震と噴火はセットになると言いますが、やはりこの数年の火山活動の活発さは、何らかの連動はありそうです。 

きのう、鹿児島県の口永良部島が噴火したばかりです。過去の噴火例でも、

口永良部島が噴火すると、数年のあいだに日向灘地震など南九州で大きな地震活動が発生する、
口永良部島と西之島が噴火すると、伊豆諸島周辺で大きな地震活動が発生しています。

(追記)
1年後の2016年、4月14日に熊本地方を震央とするM6.5(震度7)の地震、16日にはM7.3(震度7)を観測した熊本地震が発生した。(M7.3は阪神・淡路大震災と同規模。) 


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2015-05-30 M7.8 - 189km WNW of Chichi-shima, Japan


それから、小笠原の深発地震で反射的に思い出すのは東日本大震災の前のこと。

やはり、カムチャッカの火山活動が激しくなったり、小笠原諸島西方沖の深発地震、新燃岳の再噴火がありました。 
 
 
2010年 11月30日 小笠原西方沖 M6,9 深さ480km
2010年 12月22日 父島近海 M7.4 深さ10km
2011年 1 月13日  小笠原諸島西方沖 M6.6 深さ520km
(異常震域で関東から南東北まで震度を観測。)


2010年の例でも、小笠原西方沖の大きな深発地震の後、周辺では深度が浅い規模の大きな地震が発生しています。
また、この時は2011年の大震災が後続していて、小笠原諸島西方沖で大きな深発地震が発生すると、本州で大きな地震が後続する例もあって、何らかの警報ブザー的に揺れる場所なのかもしれません。


それにしても、M8.1で682km という規模の深発というのは、日本の近海では記憶がありません。
2013年5月に、オホーツク海 M8.3 震源の深さ623kmがありました。
その年は10月に福島沖 M7.1(アウターライズ)や、小笠原の西之島の噴火などが続いています。


追記(5/31)

*小笠原諸島西方沖の地震活動では、今回の M8.1が過去92年間で最大の地震。   
*異常震域現象が発生し、気象庁が1885年に地震の観測を開始してから初めて、震度1以上の揺れを47の都道府県すべてで観測。
*1900年以降に発生した、M8クラス以上の地震では世界最深となった。 
 

いま一度、飲み水のストックや、持ち出しの防災用品、ラジオなど確認しておきましょう。
 

merimaa88.hatenablog.jp