温水プールのガラスが割れた その後

市と事業者の協議で「強化ガラス」を使用

プール工事の発注時点では、今回割れた「耐熱強化ガラス」ではなく、「網入りガラスと熱線吸収のペアガラス」の使用を予定していたのですが、変更になっています。 

変更の理由は、この「網入りガラスと熱線吸収のペアガラス」は熱割れの恐れがあるので、メーカーが製造自粛していたため。

そして、プール施工事業者(契約者)よりガラスの仕様変更書が出され、「茅ヶ崎市と契約者で協議して、茅ヶ崎市が設計変更指示書を出した」という経緯になっています。

市と事業者の協議で、温水プールに「耐熱強化ガラス」を使ったのです。

「強化ガラス」は万一の対策が必要

★ガラス新聞の記事では、

「強化ガラス」は、事故時には一瞬にしてガラス全面が細かく粒状に砕け散る特性がある。ガラス表面の傷やごくまれに残存する不純物などに起因する傷が成長して、外力が加わっていない状態でも不意に破損することがあるという。(板硝子協会などによる)

このため、「強化ガラスの特性を理解し、使用部位に応じた品種・構成の選定ならびに、万一の破損時における落下防止対策を十分検討しておくことが必要」としています。

また、日本建築防災協会が作成した「安全・安心ガラス設計施工指針」によると、メンテナンス上の注意点として「保守点検が日常的にできない箇所や、ガラスが脱落し人がけがをする恐れがある部位では、合わせガラスを推奨する」と提言しています。

http://homepage3.nifty.com/glass-news/


温水プールは、建築面積に占めるガラス部分の比率が高い公共施設なので、安全対策が十分であったのか改めて問われています。


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事故後に安全な「合わせガラス」に交換

事故後、市の担当課は市内のガラス店に随意契約で修繕工事を発注しています。

プール2階部分のはめ殺しの強化ガラス76枚を、全て「合わせガラス」に交換し、1階部分の強化22枚には飛散防止フィルムを貼り、総事業費は約900万円。

工事は7月28日に完了、31日から通常通り営業を始めています。

市スポーツ健康課の鈴木亨課長は「原因究明はもちろん大事で警察にも協力している。一方でプールを一刻も早く再開して欲しいという要望もあった。合わせガラスの安全が100%でないにしても、合わせなら、割れても破片が飛散しにくいとの判断もあり、再開に踏み切った」 

これに対し一部の議員からは、「プール設計段階の初めから、合わせガラスにすべきではなかったのか? 」「破損の徹底究明と安全対策を施してから再開すべき」などの声が出ています。

 

プール専門の設計チェックをしていない

屋内温水プールは、2010年(平成22年)3月26日にオープン後、ひと月たたないうちに「温水プールの温水を送るパイプが漏れている」という報告がありました。

今後にチェックする際のことも考え、温水を送る管を外部に配置し直すという工事となりました。この工事費は全て、工事を施工した業者の補償の範囲内で実施するというもので、この件については記者発表もされています。 

プールがオープンした当初から、窓のほとんどが開閉できない作りなので、「夏は暑く、冬は寒い」という苦情が多かったり、「換気扇の数が足りていないのでは?」という指摘もありました。更衣室は、冬場は寒く、電気ストーブを置いています。

また、着替えをする部屋やシャワー室の前などがぬれていて滑るようで、数名が滑って骨折したとか、せっかくの施設なので改善してほしい、というパブコメ報告も出ています。
 
なぜ、そうなるかというと、設計した事業者は、今までプールの設計実績はなかったそうです。出来上がったプールの設計をチェックできる職員も、担当部署にいません。それでは、プール設計に専門性を持つ第三者に、チェックしてもらえば良さそうですが、それもしていません。

つまり、予算が6億から9億に増えたプールでありながら、市はプールとして機能面に問題がないかなど、専門性のある目を通したチェックをしていないままに建設した、ということです。

そのために、後からプールの機能面などでボロボロと問題が出てくる訳です。

市の姿勢がプールに

もし民間会社が銀行から借金をして、9億のプールを建設するとしたら、そんなズサンなことするでしょうか?

プールとしての安全性を万全に考えて、快適に利用できるよう機能性に配慮した設計をめざすでしょう。 

プールの建て替えに係わった団体や議員、住民なども、ただ要望を出すだけでなく、市がどういう仕事をしているのかチェックするべきなのです。

税金9億円を預かって建設する意識が、市長にも、市の担当課にもない、安全性や機能性にしても良いものを真剣に作ろうとしていない、ハコモノの予算を増大させて事業者に流せばよしとするかのような姿勢がそのまま、今回のプールに形となってあらわれているようです。


屋内温水プールの落札事業者は以下の通りです。

設計   (株)岸設計     1690万円 
建築工事  亀井工業(株) 4億8825万円  
機械工事 (株)光電社   1億8721万5千円
電気工事 (株)ムトー電機 1億1287万5千円  


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