スポーツへのリスペクトは茅ヶ崎に存在するの?

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スポーツ&アート&音楽

テニス人気は一時期低迷していましたが、錦織選手の活躍で盛り返し、ラグビーが南アフリカ戦での逆転トライで、一気に人気スポーツになり注目されています。

WOWOWの全米オープンテニス放送でのインタビューで、印象に残った錦織選手の言葉があります。

「アメリカでは、スポーツが大きなリスペクトを集めますが、日本ではそうでもありません。僕はそういう部分を少しでも変えていけたらいいと思います」


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錦織選手の言う「スポーツ」の部分を、「アート」や「音楽」などに入れ替えても同じでしょう。

「スポーツに対するリスペクトはない」というのは、今の現状を見ると、茅ヶ崎市にもあてはまっているように思えます。

何かとイメージが先行している茅ヶ崎ですが、もともと市の成り立ちには土建色が濃く、アートや音楽、スポーツなどへの行政の関心は希薄な街です。


スポーツや音楽、アートへのリスペクトについて、日本でいち早く言及していた作家・スポーツライターに虫明亜呂無氏がいます。(リスペクトという言葉は、氏は使っていませんが)
1981年に書かれたエッセイ『時さえ忘れて』の一篇「スポーツに何を発見するか〜感性に対する無理解のなかで」虫明氏はこう書いています。

「料理とか、音楽とか、絵画や、ファッション、スポーツなどのように、肉体によって快さや、美しさや愉しさなどを感じるものの存在は、社会で無視されていたし、内容の乏しいものだった。」

「『感性にたいする無理解』『感性への無視』が日本の教育であり、文化になってしまっている・・・」


私たちはウインブルドンの芝生や、メジャーリーグの天然芝の屋外球場や、欧州サッカーの伝統をうらやましいと思いながら、TVで見ているような状態ですが、それは「スポーツのなかに、絵画や音楽をなりたたせているものとおなじものを発見する。」からでしょう。

虫明氏の書くように、「まずい食事より、おいしい食事のほうがおいしい」からで、実際に、天然芝のサッカーグラウンド、フレンチオープンの赤茶色と緑の対比するテニスコートは美しく、ある一つの旋律が美しいのと何ら変わりなく感性に訴えてくるからです。

そこには確実にスポーツへのリスペクトがあるし、リスペクトのある場所では、観客の目も肥えていきます。


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美しいゴルフ場だから・・・

現在、市民6万人の広域避難場所に指定されていながら開発の危機に立たされている「茅ヶ崎ゴルフ場」(敷地の6割は県有地)が、県外のプレーヤーにも人気のある理由。

そのひとつは「味のある、美しいゴルフ場だから」なのは間違いないでしょう。

ここでプレーした女子プロ選手は、口をそろえて「国内トップ10に入る、海風で曲がった松と砂丘を活かした素晴らしいコース」と語ります。「さすが上田さんの設計で、決してやさしくない、アンジュレーションがある。そして景観が素晴らしい。海風にさらされて50年たった松の形は、まさしく茅ヶ崎の風景。残さなければいけない。ほんとうにいいコース。」

そして、ジュニア選手がまわれる数少ないゴルフコース、と言います。


茅ヶ崎ゴルフ場の、海からの強風にさらされた松は、幹も枝もまっすぐではなく、あちこち曲がっています。50年かけて育った姿は何とも味があり、砂丘を生かして、自然な丘になっているコースの曲線と共に、美しい光景をつくりあげています。 

「茅ヶ崎ゴルフ場を開発せずに、そのままゴルフ場として残して欲しい」と住民や関係者が訴えているのは、「緑と静かな住環境を守る」「広域避難場所を守る」ことはもちろんですが、「ゴルフというスポーツへのリスペクト」もそこにはあり、存続を願う2万3千名もの署名が黒岩知事に提出されています。


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海辺の全英オープンゴルフ

スポーツに正面から向き合っていない行政

もし・・・

「野球場は外野の部分はいらないよ、施設を建てればいい」と言われたら、野球好きは怒るでしょう。
「サッカーグラウンドは半面でじゅうぶん、あとは施設を建てればいい」「テニスコートは面数を減らして、施設を建てればいい」「温水プールは維持管理費がかかりすぎるから、クローズすればいい」などと提案されたら、あちこちから反論が出てくるでしょう。

鎌倉市議会の「津波警報・波浪警報時のサーフィン規制の決議」を押し付けられて、相当に怒っていた茅ヶ崎のサーファー議員もいたはずです。 


違法な会議の判定を受けた「134号線沿線の活性化に関する有識者会議」。

この会議では、茅ヶ崎ゴルフ場周辺地域に「マリンレジャー」と名前をつけ、ゴルフ場の開発案として、ホテル・マリンレジャー施設などを建てることを一部の委員が提案しています。

一方で、パブコメやアンケートでの周辺住民の要望は、90%が「静かな環境、みどりの環境」を希望、「必要ないものとして住宅開発、商業施設」をあげています。

はじめから、開発ありき、ハコモノ建設ありきで話が始まっている茅ヶ崎ゴルフ場の開発は、周辺住民の意見とは相容れないばかりか、市は違法な有識者会議での委員の意見を、市の意見としてまとめて県に提出しました。 

そこには「スポーツとしてのゴルフ」「希有の美しさを持つゴルフ場」という視点はまったく欠落しています。

市長も知事も議員も、スポーツとしてのゴルフに真正面から向き合うテーブルにはつこうとしていません。 

そこには、ある種のアンフェアさを感じます。

「スポーツに対するリスペクト」という言葉を考えるとき、スポーツのない場所には、当然アートも音楽も育たないし、育ちようがありません。

スポーツとしてのゴルフに向き合えない限り、この美しい場所を市の財産と考えることのできない茅ヶ崎は、今後もそういう街になって行くだけだろうと思うのです。


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