「柳島しおさい広場」と放射性物質「白いテント」その2

「しおさい公園」と名前は変わっても・・・

下水処理場にあるテニスコートなどの施設は、(平塚の四之宮や辻堂南部も同じように)、風向きによって臭気はあります。

公園の芝生でお弁当をひろげて、ゆっくりとなごみたい匂いではないです。 

柳島の下水処理場は、海抜0mの津波浸水エリアで、液状化リスクの最も高い場所であり、東日本大震災時には「放射性セシウムを含む灰」の保管場所でした。

たえず強い海風に吹きさらしになり、テニスボールは風で流れます。
サッカーコートの利用が少年に限定されているのは、施設が処理場の上にあるので、構造上大人用フェンスを設置できないためで、ナイター設備も設置出来ません。
 
「しおさい広場」→「しおさい公園」と名前は変わっても、実際は一般的な公園とは違って、設備の制約が多いため、公園としての施設の充実には始めから無理があるといえます。


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「しおさい広場」のパブリックコメント

「しおさい広場」は、柳島に県の巨大な下水処理場を作ることになり、地元住民への迷惑や負担をかける対策として、施設の上部を広場にしてスポーツ施設などを作った経緯があります。

テニスコートなどは、地元優先枠で使用出来ていたのですが、市に管理が移ると優先枠が廃止されます。平塚の四之宮にある処理場の公園は、優先枠システムを継続しています。 


★「しおさい広場」パブリックコメント
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/814/kekka.pdf


市では、「しおさい広場の維持管理を市に移することで、気軽にスポーツができる環境づくりを進め、スポーツの推進を図る。」と言っています。

しかし、施設が処理場の上にあるので、構造上フェンスもナイター設備も設置出来ないし、スポーツができる環境づくりには制約があります。 

これは、むしろ柳島一帯を開発して、巨額の税金をつぎ込みたい理由にも聞こえます。

公園として適した場所なのだろうか?

放射性物質を保管した「白いテント」に近い場所には、こどもの水遊び場があり、夏場は多くの子供連れが遊んでいます。

震災後、高いベクレル値が検出されていた時期でも、たくさんの子供がサッカーに集まったり、芝生で遊ぶ家族を見かけましたが、焼却灰は134号線からすぐ見える場所に、野積みになっていました。
当時、市のホームページに公開情報を探しても、見当たらなかった記憶があります。


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公園の脇は処理場の施設

また、「柳島スポーツ公園、しおさい広場、柳島キャンプ場、道の駅の完成後には、4施設が連携することで、スポーツ・レクリエーション、観光やにぎわいが期待できる」と市は言っています。

これも、ハコモノ開発にさらに税金を投入する理由にしか聞こえません。


下水処理場自体は、昭和52年の施設で、設備の劣化も激しいといいます。
大地震でもっとも液状化しやすい場所、海抜0mの津波浸水エリア、強い海風に吹きさらしになる場所に、多額の税金をかけた施設を集めることになります。 

いずれにしても、始めから構造上、強度不足で公園設備を満足に作れない下水処理場の施設を、市民の公園とする発想が理解できません。 

公園というのは、もっと一等地にこそ広大に、市民(県民)のために作られるべきです。 

ハコモノを建てる開発には、惜しみなく市の税金を投入しているのだから、作れないわけがないでしょう。
 
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柳島スポーツ公園 予定地

公園というより、駐車場の開発

ちょうど134号線がカーブしている、見通しの悪い交差点。駐車場の出入りには渋滞が起こりやすそうな場所です。かといってバスの運行もなく、車でないと不便な立地。 

柳島スポーツ公園も、公園としての緑よりも、施設や駐車場と車の通路が、優先して場所を取っています。もともと、予定地の広さでは、構想にあるようなスポーツ施設を建設するには狭い、無理があるという専門家からの意見もありました。

そのために、柳島スポーツ公園の「公園面積は最低限」になっています。


「道の駅」は「24時間オープンの駐車場」が必須条件なので、周辺の治安は大きな問題です。「あっという間に、サーファーの駐車場になるのでは?」「暴走族の集会場」「車中泊に絶好の場所なのでは?」など言われてます。

トイレ施設や24時間の駐車場の維持管理に税金が使われた場合、それに見合う収入は出るのでしょうか? トイレの水とともに、ゴボゴボと税金が流れていく施設になりそうです。平塚市では周辺住民の強い反対があり、「道の駅」の計画は中止になっています。


柳島一帯の開発に、いったいいくらかかるのだろう? 

「柳島スポーツ公園」は用地の取得費と合わせて、すでに100億円以上かかっているといいます。
「柳島キャンプ場」と「しおさい公園」の維持管理費、「道の駅」の用地取得費と建設費、さらに維持管理費、、、

134号線をまたいで、施設をつなぐ大規模なブリッジもいずれ計画されるのでしょう。 


いったい、茅ヶ崎市はどれだけハコモノに税金を使うつもりなのだろう・・・?

茅ヶ崎市の待機児童数は県内でワースト、
小児医療費の無償化の遅れ、
中学校の給食はなし、
市民一人当りの公園面積は県で最下位、
みどりの保全への無策、
特別支援学級の開設率は県で最下位、
振り込め詐欺の被害金額は県でトップ、
延焼火災については県で最大の被害想定・・・

ハコモノに税金を使い過ぎて、借金がこれからも増える茅ヶ崎市。

「ひじょうに厳しい財政難」という市長の言い訳のもとに、暮しに直結することへの対策は、何ひとつ実現されなくなりそうです。


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