市民でジャッジ!「柳島スポーツ公園」茅ヶ崎市 その4(自由提案) 

市民に説明のない「自由提案」

いったいぜんたい、

自由提案施設」「自由提案事業」って何でしょう?

今回の入札の採点のポイントになった部分です。

『自由提案』とは?

落札した事業者が、スポーツ公園内に自己負担で何らかの施設を作ります。

市に土地使用料を払うけど、「その施設を使って、独立採算で商売してもいい」ということです。
商売での売上金は、事業者に入ります。

(市の要求水準書にある説明は、記事下にのせています。ただ、これを読むと、はじめから「レストラン」やりなさい、に思えますが。)


このシステムについても、市は納税者である市民に、事前に説明もしていません。失礼ですね。
いったい誰のために作るスポーツ公園なのでしょうか? 

★「もっとも事前に情報を市民にオープンにするべき部分」です★


柳島スポーツ公園の入札は、価格:3、提案内容:7の割合で、「提案を重視した採点」です。

*入札のジャッジで、大きな差がついた項目は

★自由提案施設 (K社15.0満点 M社11.25)
★自由提案事業 (K社15.0満点 M社7.5) 

(以下、K社:亀井工業ホールディングス、M社;ミズノグループ)
 

特に「自由提案」では、K社が30点満点の評価を受けて、M社とたいへん大きな点差がつきました。
入札で満点というのは、めったに出ない点数です。

それでは、満点の出た「自由提案施設」「自由提案事業」の内容を見てみましょう。


★自由提案施設 

K社「クラブハウス」、M社「フットサル」を提案

★K社の提案内容  (15点満点を獲得) 

「2階建てのクラブハウス」を作る、というものです。

*クラブハウスには、レストラン、貸しスタジオ、コンディショニングセンター、サイクルステーションなどの「落札者の事業」が多数入ります。

★M社の提案 (11.25点)

「フットサル施設 2面」 作るというものです。

柳島スポーツ公園内に、K社はクラブハウスを作り、M社はフットサルコートを自前で作り、そこで独立採算の商売をします。

その利益は、事業者にはいります。


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K社の提案したクラブハウスは、「スポーツ公園入り口近くに、木材を多用した茅ヶ崎らしさを演出し、公園の顔となるクラブハウスを建設する」というもの。

しかし、スポーツ公園の顔となるのは、本来はスポーツと公園です。 

要求水準書にないクラブハウスを公園の顔として、高い評価をする理由が不明確です。


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いっぽう、M社の提案は、多目的に利用できる「人工芝のフットサル施設」の設置。

公式大会可能なサイズとして整備、夜間照明付き。
フットサル以外にも多種目、多世代向けのプログラムを提案してます。


★自由提案事業 

「自由提案」の中でも、K社が満点の評価を受けて、M社の点数はその半分。

特に大差のついたジャッジになった。

いったい、なぜ・・・?

K社の提案事業

15点満点!!を獲得した内容

〈レストラン〉
協力企業による、地産食材を利用したアスリート向けメニューなどの提案。
食育サポート、弁当販売。(グローバル・キッチン)   

〈スタジオ〉
構成企業による、各種スポーツ教室。市民へのスタジオ貸し出し。

〈コンディショニングセンター〉
構成企業である湘南ベルマーレスポーツクラブの支店を開設。
鍼灸、マッサージ、エクスサイズプログラムなど。

〈サイクルステーション〉
構成企業による、自転車・関連用品販売、修理、レンタルなど。

〈スポーツイベント事業〉
協力企業による、柳島テニスマッチ(パーム・インターナショナル)

サッカーイベント(親子サッカー教室、7対7ハーフコートサッカー大会)
野外イベント、ラジオ体操など

ほぼすべてが、落札事業者であるK社の構成企業・協力企業が、クラブハウスを使用して、収益を得ていくものです。
 

M社の提案事業

7.5点とK社の半分の点数、そのわけは・・・?

〈箱根駅伝応援イベント〉
M社は箱根駅伝のスポンサー企業。

*柳島スポーツ公園を、箱根駅伝の出場チームのトレーニング場所や、中継地点として各大学にアピール、使用してもらうことで、箱根駅伝ファンの茅ヶ崎市民が、生で箱根駅伝を競う選手たちのトレーニングを観たり、交流出来る場をつくる。   

*箱根駅伝本番前の、選手の迫力ある実走トレーニングも、柳島スポーツ公園で見ることができる。

〈フットサル〉
他地域・他県からの利用者が、茅ヶ崎を訪れる機会を作るフットサル大会。
茅ヶ崎企業の冠大会や、各種のフットサル大会、クリニック
少年サッカー大会、親子スキンシップ体操、あおぞら健康体操

〈柳島スポーツ公園ランナーズクラブ〉 
貸しロッカー、ランニングクリニックや走行会

〈ドッグウオーキング〉 

〈スポーツ用品販売・レンタルコーナー> 
シューズに関しての足形測定会

〈ケータリングカー〉 
週末や大会時は園内にケータリングカーを呼び、軽食を提供。
柳島向河原土地利用計画に賛同した、「グリーンスムージー」

〈農機具販売会・試乗会への協力〉

〈多世代スポーツの導入〉 
ターゲットバードゴルフ、ペタンクやグラウンドゴルフ、ドッチビーなど 
〈隠れキャラクター探し、宝探しクイズラリー〉
〈貸し出しAED〉


みなさんの採点は、どうだったでしょうか?
 

M社の方が「スポーツそのもの」を全面に出し、柳島スポーツ公園を使用して、幅広い年齢層を対象とした提案の多さ、アイデアの多様さでは、まさっているように思えます。

K社の提案は、街中の民間のスポーツジムでも同じで、わざわざ柳島スポーツ公園でなくてもいいのでは?と思えました。


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M社の提案 箱根駅伝応援イベント


採点基準がどこにあるのか分からない

「自由提案」というのは、

★採点の基準が分かりにくい
★独立採算の事業は、やってみなければ確実性が分からない
(大赤字でも事業は続けることになる)
★市民のためなのか、事業者のためなのか?

など、採点への基準や考え方が、はっきりしない部分があります。

そのあたりは、採点者である、委員の「議事録」を見れば、どういった理由で点数がついたのか、つかなかったのか、採点の経緯が市民にもよく分かるはずなのです。

しかし、茅ヶ崎市は「議事録がない」ということです。

100億円の事業への入札・採点に「議事録がない」・・・???  

こんなルーズなことって、あるのでしょうか?
「市民集会」のレベルでも、市民は議事録は作っています。
 
「議事録」の代わりが、以下の「審査員の講評」なのだそうです。
(そんなイージーなこと、ありえませんけれど。)

「自由提案」への「審査員の講評」は以下の通りです。

自由提案施設について

*亀井工業ホールディングスグループについては、
クラブハウスを自由提案施設として整備し、この特徴を活かしてレストラン、スタジオ、運動支援施設などを運営することで、地域活性化や集客の促進につなげる提案や、サイクルステーションの設置も含め、茅ヶ崎の地域性との相乗効果が期待できる提案を特に高く評価した。

*美津濃グループについては、
フットサル施設を自由提案施設として整備し、様々な運動プログラムを提供することで、利用促進や健康増進につなげる提案を高く評価した。
 

自由提案事業について

*亀井工業ホールディングスグループについては、
早朝や夜間におけるテニススクールやサッカースクールの運営、スポーツイベントの定期的な開催、トップアスリートによるクリニックの実施、幅広い年代に対応した行事の開催など、利用者の多様なニーズに対応したプログラムの提供、施設全体の稼働率向上に資する事業提案などを特に高く評価した。

*美津濃グループについては、運動プログラムと連携したスポーツ用品の試用など、利用者の満足度を高める提案を評価した。


採点講評
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/912/03_kouhyou.pdf


じつに、不思議な講評です・・・ 

え〜!?
M社はあんなにたくさん提案してるのに、評価はスポーツ用品の試用だけ?

K社について、特に高く評価したとしている、「スポーツイベントの定期的な開催、トップアスリートによるクリニックの実施、幅広い年代に対応した行事の開催など、利用者の多様なニーズに対応したプログラムの提供、施設全体の稼働率向上に資する事業提案など」 
そっくりそのまま、M社の提案にも当てはまりませんか?


「早朝や夜間のテニススクールやサッカースクールの運営」を特に高く評価したとありますが、生徒が集まるのか分からない、不確定さがあります。 

スクール運営について、K社は「利用の少ない時間帯や日にちを考慮、事業性を確認した上で実施します。」としており、必ず行うのかどうか確実性の分からない事業に、満点のジャッジをつけたことになります。


また、M社の「箱根駅伝応援イベント」「フットサル」はなぜ評価されなかったのでしょうか?
毎年、正月にTV中継されるのですから、宣伝効果はかなり高いはずです。

評価されないとしたら、その理由はなぜなのでしょうか?

そういったことを、議事録も作成していないのでは、市は市民に説明できないのです。



採点の議事録がない・・・!?

この自由提案の評価は、「人さまざまに意見が分かれる」部分と思います。

そこが、問題なのです。 

採点した委員は、どういう考え方で、何を基準にしたから高い得点が出たのか?
あるいは逆に、どういう考え方で、評価に結びつかなかったのか・・・?

そのいきさつを知りたくとも、「議事録がない」のだそうです。 

いったい何を基準にして採点しているのか、透明性がないのです。
密室の評価では、市民は何もわかりません。

それとも、「議事録」は捨ててしまったのでしょうか?


M社はスポーツメーカーらしい、フットサル、ランニング、駅伝など、スポーツそのものの「自由提案」を、前面に打ち出していました。

100億円のスポーツ公園のメイン機能のひとつ「陸上競技をどう生かすか」「市内だけでなく市外からの集客を見込めるか」という点では、M社に軍配があるように思えました。

しかし、点数は満点のK社の半分でした。
 

M社がケータリングの提案をしたのは、サッカーなど大会開催の時は、ケータリング販売が便利で、経験上レストランは採算が取れない、という経験則からあえて作らなかったといいます。
このように考え方の基準は、事業者によっても違ってきます。


採点した委員には、市役所の職員(部長)も数名入っています。  

いったい、市役所や有識者は、何をもって採点の基準にしたのでしょうか? 

「議事録がない」のでは、はっきりと、市民にオープンにできる透明性が生まれません。

市は、自ら何も説明できないまま、ということになります。

 
merimaa88.hatenablog.jp
merimaa88.hatenablog.jp

参考

自由提案施設・・・選定事業者の自己負担で任意提案により整備する施設で、かつ、設計・建設及び維持管理・運営の各業務を選定事業者の独立採算により実施する事業である。
本事業の事業目的と合致し、本公園と一体的に整備することにより、利用促進や利用者の一 層の健康増進が期待されるもので、市の財政負担の軽減に寄与するとともに、本事業の事業計 画に過度の影響を与えない施設とする。
 

自由提案事業・・・飲食物及び物品など提供販売業務
選定事業者の提案による自由提案事業
なお、飲料以外の飲食物及び物品の提供及び販売については、事業者の任意で提案可能とし、選定事業者の自由提案事業として独立採算により実施すること。

・ 飲料以外の飲食物及び物品の提供及び販売については、本公園の目的を逸脱しない範囲 において、事業者の任意で自由提案事業として提案し、市と協議の上、実施することが できる。