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湘南に住もうと思うなら、松林と住む話

『湘南』には、 実は「松林」こそなくてはならないもの、なんです。

市民でジャッジ!「柳島スポーツ公園」茅ヶ崎市 その2(採点)

要求水準書

市から前もって出された「要求水準書」で、必要な施設の内容はほとんどすでに決められています。
入札をする事業者に、柳島スポーツ公園を設計・建設・維持管理するための水準や基準を示す仕様書みたいなもの。

必須施設は、
公園、総合競技場、テニスコート、ジョギングコース、メインスタンド、救護室、競技運営室、更衣室 (シャワー室含む)、多目的室、器具庫、トイレ、防災施設など。

また、必要な施設の水準も決まっています。

要求水準書
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/916/suijyun_syusei.pdf




入札は価格より「提案内容」を重視

何はともあれ、まず入札評価の結果を見てみましょう。

前の記事でも書いたように、
価格が3、提案内容が7の割合のコンペ
はじめから、「提案内容」を重視した採点です。 

資料は市のHPにあります。

審査講評
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/912/03_kouhyou.pdf


総合評価の結果は?

《入札価格の評価点》 (30点満点)    
亀井工業ホールディングス 74億8758万4416円  評価点28.85
美津濃グループ      72億63万9267円   評価点30

★入札価格では、約2億8000万円ミズノが安かった。 


《提案内容の評価点》
亀井工業ホールディングス  50.42点   
美津濃グループ       47.92点


《総合評価点》
亀井工業ホールディングス  28.85点 + 50.42点  合計 79.27点
美津濃グループ       30点 + 47.92点    合計 77.92点
 
入札価格はミズノが安かったが、総合評価点で、亀井工業ホールディングスグループが落札者に決定した。

提案内容の評価 内訳・6項目

それでは、70%の重要度でジャッジされた《提案内容の評価点》の内訳を詳しく見ていきましょう。

内訳は6項目に分かれています。

(以下 K社:亀井工業ホールディングス M社:ミズノ) 


1. 事業計画全体   K37.50  M36.25 (配点50)
2. 設計       K26.25   M26.25 (配点40)
3. 工事監理・建設  K12.5    M15.0  (配点20)
4. 維持監理     K10.0    M13.75 (配点20)
5. 運営       K35.0    M33.75 (配点50)
6. 自由提案     K30.0   M18.75  (配点30)

★自由提案で、K社が30点満点の評価を受け、M社と大差がついた。


入札で満点というのは、見たことがないというほど、めったに出ないそう。
また、1〜5までは、配点にたいして高得点でも7割程度。
なぜか6の自由提案で、いきなり満点にはねあがり、総得点が逆転した。 


さらに、1~6の項目の内容を詳しく見ていきます。

1. 事業計画全体 
M社が高い得点
★収支計画 (K5.0 M7.5)
★リスク管理計画 (K2.5 M3.75)

K社が高い得点
★地元経済社会への貢献 (K15.0 M11.25)
★その他の優れた提案  (K3.75 M2.5)

事業の取り組み方針、統括管理計画は同点


2. 設計
M社
★環境性への配慮 (K2.5 M3.75)

K社
★公園計画 (K3.75 M2.5)

設計業務の取り組み方針、建築施設計画、地域の賑わい創出、
防犯性・安全性、防災性は同点


3. 工事監理・建設 
M社
★行程計画 (K5.0 M7.5)

工事管理・建設業務の取り組み方針、施行計画は同点

4. 維持管理
M社
★維持管理業務の取り組み方針(K2.5 M3.75)
★修繕計画 (K5.0 M7.5)

保守管理・清掃・環境衛生管理は同点


5. 運営
K社
★駐車場及び駐輪場計画 (K3.75 M2.5)

運営業務の取り組み方針、運動施設運営計画、スポーツ教室事業計画 
集客促進計画、安全管理・緊急時対応、開演準備などは同点


6. 自由提案   
K社
★自由提案施設 (K15.0 M11.25)
★自由提案事業 (K15.0 M7.5) 

 

*ジャッジで大きな差がついた項目は
「自由提案施設」
「自由提案事業」
「地元経済社会への貢献」

 

まとめてみると

M社が優れていた提案
★入札金額 (約2.8億安い)
★収支計画
★リスク管理計画
★環境への配慮
★工事管理・建設における工程計画
★建物の修繕計画
★維持管理業務


K社が優れていた提案
★地元経済社会への貢献
★公園計画 
★駐輪場・駐車場
★その他のすぐれた提案
★自由提案施設
★自由提案事業


ジャッジで特に大きな点数の差がついたのは、K社が満点を取った
「自由提案施設」「自由提案事業」。
特に「自由提案事業」では、2倍の得点となっている。 


入札金額が安くて、収支計画、リスク管理、環境への配慮、建物の修繕、維持管理といった項目が優れているM社の方が、市民のお財布(税金)には優しいスポーツ公園のようです。
 
一方、K社は、地元の経済への貢献や、公園や駐車場の計画、自由提案といった、提案部分について評価を得ています。

つまり、
はっきりと数字に出る計画部門ではM社が高い得点、K社は提案という主観的なジャッジ判断の部門で、高い得点を得ている傾向があります。


それにしても、

「自由提案」でなぜこれ程の大差がついたのだろう?

「自由提案」って、どういう内容だったのだろう? 

そう思いませんか?


★「自由提案」の具体的な内容はこちら
merimaa88.hatenablog.jp


f:id:Merimaa88:20150711220832j:plain
K社 手前左の白い建物が満点を獲得した『シンボリックなクラブハウス』 
奥半分は駐車場(手前が海岸側)


f:id:Merimaa88:20150711221035j:plain
M社 公園スペースを北側に集めた緑の多いシンプルな設計
(奥が海岸側)

 

何が評価されて、何が評価されなかったのだろう?

★選定委員会の総評

http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/912/03_kouhyou.pdf


「点数をつけた委員の総評」によれば、

亀井工業ホールディングスグループの提案は、
ローカルファーストというコンセプトを 打ち出し、地域社会との連携による地域活性化に向けた熱意あふれる取り組みを高く評価 しました。

中でもハード面においては、シンボリックなクラブハウスの施設計画や地域特性を踏まえたサイクルステーションの設置などの提案、ソフト面においては、地域スポーツコミュニティの形成を促進し、集客力の向上が期待される各種スポーツ教室事業や自由提案事業の提案により、地域スポーツコミュニティの核となるハードとソフトが調和した 一体的な施設利用計画を高く評価しました。


美津濃グループの提案は、
全国で数多くの体育施設を運営しスポーツ分野における深 いノウハウを活用した提案であり、事業計画全体の信頼性が高く、確実性の高い事業計画 が提案されていました。
また、長期修繕コストの平準化や、修繕部位毎の具体的な予防保全の考え方と、その実施による長寿命化の工夫の提案についても高く評価できるものでした。

しかし、駐車場を南側に配置し、広いオープンスペースを確保したことについては評価できるものの、大会やイベント時における車両動線等の管理面において、安全性の確保に つながる工夫が少なかったことなど、評価に直接結びつかないところがありました。


ここで、もうひとつ疑問が出てきました。


★「ローカルファーストというコンセプト」って何でしょう?
 
たぶん、ほとんどの方は知らないのではと思います。

落札者である亀井工業ホールディングスが「自ら提案したコンセプト」です。

しかし、民間事業者の提案するコンセプトという、評価基準が明確でないものを市の公共施設の入札の評価基準として取り入れることに、公平性があるのでしょうか? 
 

merimaa88.hatenablog.jp

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