サザンが茅ヶ崎ライブした公園
市営公園の女子トイレが、故障中だったり、カギが壊れたりしていても(それも何ヶ所も)、修理されることなく、こんなにも長いあいだ放置しておく市は他にあるんでしょうか・・・?
場所は、茅ヶ崎公園。
この公園内にある野球場は、2000年8月にサザンオールスターズの『茅ヶ崎ライブ 〜あなただけの茅ヶ崎〜』の会場になったことで、全国的に知られています。
海岸のすぐ近くに位置していて、茅ヶ崎の顔ともいえる公園のはずなのに、この顛末には驚いてしまいます。
茅ヶ崎公園の散歩に行った市民が、公園の女子トイレがあまりにひどいという投書を市に出したのがきっかけでした。
4年ぐらいは放置されていた
どんな状態だったかというと・・・
茅ヶ崎公園の女子トイレは6つあって、そのうち1つは故障で使用禁止の紙が貼ってある。カギが完全に壊れたまま放置が1つ、内側からカギがしっかりかからないのが2つ。6つのうち4つは、まともに利用できない状態。
それから3つある洗面台は、1つは故障で使用禁止、1つは蛇口が取れかかったまま。
さらに、いつのものか分からないような、古い張り紙が何枚もガムテープで貼られたままで、古いオムツ交換台は新式に取り替えられることもなく隅に置かれていました。
もう4年前ぐらいから、こんな状態で放置されたままになっていて、年々ひどくなっていく・・・いっこうに修理されないので見かねての投書だったのです。
よその惑星のような話だった・・・
いったい、なぜこんな放置状態になっていたかというと・・・市民からすれば、信じられないような市役所の仕事ぶりが原因でした。
茅ヶ崎市のほとんどのスポーツ施設(柳島スポーツ公園と温水プールをのぞく)と市民文化会館・美術館は、「文化・スポーツ振興財団」という外郭団体が一括して指定管理を請け負っています。
毎年およそ5億7500万円を、指定管理料として市から受け取っています。
本来は、公募によって指定管理する事業者を選ぶのですが、茅ヶ崎市のように、非公募で「文化・スポーツ振興財団」が毎年選ばれるのは、かなり異例のこと。
そして、退職した市職員OBが、必ず役員や常勤職員に入っていたりします。
そして、テニスコートや体育館、文化会館などの利用料は、財団の収入になります。
利用料は市の収入に入っていると思っている方が多いですが、市営のスポーツ施設の利用料金や駐車料金などは指定管理者の収入です。
なので、野球場にあるトイレは、「文化・スポーツ振興財団」の管理かと思っていたら、トイレは市の「公園緑地課」の管理なんだといいます。
そのため、「公園緑地課」が清掃の事業者を雇っているんですが、事業者の日報を見ると、毎日すべて 『異常なし』になっています。
「あれだけ壊れているのに、何で 『異常なし』 なのですか?」と聞くと、
「一度故障を報告すれば、そのあとは『異常なし』で報告する」ことになってる。
「・・・・・?」
「それでは、清掃事業者から、壊れているという報告を受けた記録はあるのですか?」
「ないです」
「じゃ、公園緑地課が自分たちで点検に回った報告書あるのですか?」
「何にもないです」
要は、記録もメモもないし、点検にも回っていなかった状態で放置だったんですね。何年間も・・・
デタラメと無責任とその場しのぎ
「文化・スポーツ振興財団」も、トイレの故障を報告しないし、「公園緑地課」も職員が見回りをしてチェックしていなかった。そして、投書がなければ。この先も何年も放置のままだったでしょう。
さすが茅ヶ崎市。
「なんで、野球場のトイレだけ、公園緑地課なの?」と思います。
同じ野球場にあるシャワー室(これもおそろしく古くて汚い)が「文化・スポーツ振興財団」の管理で、隣のトイレが「公園緑地課」って意味が分かりません。
一括して管理できてないのですね。
一本化されたシステムや、資料・報告書がないこと、連携すべき仕事も整理されてなくて、各課がバラバラ、行き当たりばったり、その場しのぎ・・・結果として迷惑を受けるのは、納税者の市民ということになります。
ところで、トイレの修理代はいくらだったのかといえば、全部あわせて40万円ほどのようです。
「修理する予算がない」とは、間違っても言えません。
市役所の建て替えに90億円を使って、柳島スポーツ公園の建設にすでに100億円超える金額を使って、茅ヶ崎公園内の複合施設建設に18億円をつぎ込んだので、40万円のトイレの修繕費が出せなくなったのでしょうか?
現在、トイレはやっと修理されて、張り紙も剥がされましたが、テープ跡やら何やらでドアも壁も汚い状態。そこには、もとからある施設を大切に修繕して使って行くという姿勢も見えません。
柳島スポーツ公園は、管理運営費だけで年間1億円かかります。
ひとつの施設の維持管理に1億円かけても、茅ヶ崎市内にある約170ヶ所の大小さまざまな公園すべての維持管理費は、年間5000万円ほどしかないようです。
さすが「市民一人当たりの公園面積が県で最下位に近い茅ヶ崎市」。
これでは、今ある公園やみどりが消滅していくのを防ぐことも出来ないし、子どものための遊具も、みどりの木陰も、ベンチも増やせない。
ましてや、公園それ自体を増やしていく予算も、限りなくゼロに近い茅ヶ崎市です。