茅ヶ崎市立病院 医薬品1億円不明 経緯のまとめ

市民の声は「全容解明になっていない」

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市は全体像は把握できていると主張するが・・

現在、医薬品1億円以上が使途不明になっている茅ヶ崎市立病院。

すでに横浜地裁で公判中の元薬剤師については、これは約203万円分の薬剤横領で起訴されたもの。つまり、今回1年間だけで紛失した約1億400万円、そのほとんどの行方は解明していないし、それ以前の紛失についてはまだ調査結果も報告されていない。

しかし、市長はすでに医薬品横領事件の全体像は明らかになっていると主張。

8月24日、早々に幕引きするような市長をはじめ関係者の減給を発表、市議会もまた「全容解明になっていない、市民は納得しない」と言いつつ、早々に可決した。

1億円紛失の経過について、記者発表、マスコミ報道、市議会の動きなどからまとめてみた。




経過について

3月21日(火)

薬剤師が医薬品の棚卸しの準備を始めたところ、通常あまり使用されない医薬品が出庫されていることを発見。白血病の薬(グリベック錠)の動きに、ベテラン薬剤師が気がついたのが発覚のきっかけという。
白血病治療などに使用する薬品7箱(時価計34万5千円相当)がなくなっていることが判明。

3月23日(木)

薬局長から病院長へ概要の報告後、同日市長、副市長へ報告、茅ケ崎警察署へ被害届の提出について相談。

3月30日(木)

茅ヶ崎駅前交番に被害届を提出

4月15日(土)

記者発表 ① 

市立病院職員の医薬品窃盗事件による逮捕について

茅ケ崎警察署において、医薬品の窃盗事件の被疑者を逮捕。

平成29年4月15日(土)2時55分、茅ヶ崎市立病院の主任薬剤師(医療技術職員)が医薬品窃盗事件の被疑者として逮捕された。(平成23年4月に薬剤師として採用。)

逮捕容疑は、14日午後1時20〜30分ごろまでの間、同病院地下1階の薬品倉庫で、薬品7箱(時価計54万円相当)を盗んだ、としている。

同容疑者が服のポケットからバッグに薬品を移し替えるのを同僚が目撃した。通報を受けた警察が薬品庫の防犯カメラを確認したところ、薬を盗む様子が映っていたという。

薬品3種類はいずれも抗がん剤で、通常は倉庫で保管。14日にそのうちの一つ、エルプラットを治療で使用する旨が医師から伝えられたため、同容疑者が倉庫から取り出したが、最終的に医師の判断で投与は中止。その後、薬品は倉庫に返品されていなかった。


〈窃盗被害の医薬品〉
4品目7箱(いずれも抗がん剤) 
被害額 539,303円
内訳 
アバスチン 400mg1箱
サイラムザ 100mg1箱 ×4
エルプラット100mg1箱
エルプラット50mg1箱

5月2日(火)

医薬品(時価合計 約53万9303円相当)の業務上横領で起訴された。

6月21日(水)

横浜地裁で初公判が開かれた。
被告は「間違いありません」と起訴内容をみとめた。
起訴状などによると、4月14日、病院の薬品倉庫で薬品7箱(時価 約53万9303円相当)を横領した。
検察側は、被告が医薬品の転売で1千万円以上の利益を得ていたと明らかにした。

冒頭陳述で検察側は、「医師の指示で患者への投薬が中止された医薬品を返品せずに着服していた」と説明、「仕事に嫌気がつのり、現金をためて辞めるつもりで転売に及んだ」とした。
被告が捜査段階で「3億円ぐらいためるつもりだった」と供述していたことも指摘。余罪についても追起訴を予定している。

7月5日(水)

市は、次の(7月18日の記者発表内容)を茅ヶ崎警察署へ情報提供。

7月6日(木)

被告は、医薬品(時価合計 約148万9749円相当)の業務上横領で追起訴された。

7月18日(火)

記者発表 ② 

市立病院医薬品の払出し調査結果について

市立病院薬局において医薬品等の調査を行ったところ、不自然な払出し(出庫)等があったと推定されるものがあることが判明した。

調査対象期間 平成28年4月1日~平成29年3月31日
数量 16種類 851箱

薬価 1億427万6774円


明細は次の通り

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★市の記者発表HP
www.city.chigasaki.kanagawa.jp

7月18日(火)

市立病院医薬品の不自然な払出しについて、集計がまとまったとして、市長・副市長・病院長などから全員協議会(市議会)へ報告された。 

7月26日(水)

神奈川県警は、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)容疑で追送検した。

追送検容疑は昨年9月~今年4月、偽名と偽の住所で計29回、サプリメントを装って医薬品を詰めたダンボール箱を、宅配便で東京・神田の卸売業者(6月に廃業)に送って転売し、約6100万円を得た疑い。
代金は宅配便で宅配業者の支店まで送らせて自ら受け取りに行き、自分名義の五つの口座に分散して入金していたという。約6千万円は手つかずで残っており、調べに「事業を始めるため、3億円ためるつもりだった」と供述。

一方、売却先の業者は、インターネットで医薬品の買い取りをうたっていたが、医薬品医機器法が定める医薬品を譲渡した人の氏名や品名、数量などを記録していなかった。
業者は薬価の6~7割で買い取り、別の病院や薬局に薬価の7~8割で転売したとみられ、「不正に入手したものだとは知らなかった」と説明している。

市の調査では、昨年9月以降、「オプジーボ」など16種類の医薬品851箱(約1億427万円相当)が使途不明。


8月23日(水)

横浜地裁 第2回公判

検察側より、追起訴の内容について、4月6日〜13日に5回にわたり 薬品15箱 148万9748円を着服した業務上横領罪という説明。被告は「間違いありません」と認めた。
検察側の説明では、被告は平成26年4月より薬品倉庫の管理業務に勤務。仕事にやる気をなくし、「電子カルテと会計のパソコンは繋がっているが、薬品倉庫のパソコンは繋がっていない事から横領できる」と考えたという。

8月24日(木)

記者会見

職員の懲戒処分及び茅ヶ崎市特別職の職員の給与の特例に関する条例案等について

地方公務員法第29条に基づき、医薬品を横領した薬剤師を懲戒免職、管理監督責任として仙賀病院長を減給10分の1(3ヶ月)、添田副院長を減給10分の1(2ヶ月)、薬局長・前薬局長・前々薬局長を減給10分の1(2〜1ヶ月)とした。

また、服部市長を減給10分の3(1ヶ月)、市立病院を担当する夜光副市長を減給10分の2(1ヶ月)とし、条例案を9月1日の市議会に提出する。


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★市は現在、内部調査を終えている昨年4月〜今年3月より前の期間についても、医薬品の紛失がないか調べている。
「ぴったりあっている状況ではない」ので、結果はどこかのタイミングで発表するとしている。

市が7月に行った被告への聞き取りでは、横領した委託品を売却し、約6千万の利益を得ていたことを認めたという。


★市の記者会見HP
www.city.chigasaki.kanagawa.jp

8月24日(木)

市の記者会見は、議会への報告なしで行ったようだ。

全員協議会に「市立病院薬局における管理体制の改善について」のまとめが市から報告された。
しかし、全員協議会は市が議員へ「報告」をするだけの場で、議員が協議をする訳ではない。いったい、市議会での審議(環境厚生常任委員会)はいつされるのだろうか・・?

9月1日(金)
茅ヶ崎市議会の初日

冒頭に「議案第94号 茅ヶ崎市特別職の職員の給与の特例に関する条例」が出された。内容は、医薬品横領事件の管理監督責任として、服部市長の給与を減額10分の3(1ヶ月)にするというもの。(市長の給与は条例で決められるので、議会での議決が必要。)

しかし、これは先決議案なので、「議会の委員会での審査を省略」して先に議決をとることになる。

市は、検察の取り調べ、市の調査、新聞報道などで概ね全体像が把握できているので、市長責任を速やかにして事態を回復したいと主張。

議員は「1億円の損失も、さかのぼっての損失も明らかになっていない」「市民は全容解明を求めている、納得しない」などと発言しながらも、松島、藤村2名の女性議員が「時期尚早」と否決しただけで、早々に市の提案(これで市長は総括的に責任を取ったことになる)を可決した。

こうして、市民は責任の所在を明らかにされないままにされていく。


9月4日(月)

横浜地検 元薬剤師を一部不起訴

横浜地検は4日、追送検された組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)の容疑を不起訴処分にしたと発表した。不起訴の理由は明らかにしていない。(1日付け)

被告はこれまでに、4月6日〜14日に転売目的で、病院の薬品倉庫から約203万円分を持ち出したとして業務上横領罪で2回起訴されている。現在、横浜地裁で公判中。

市の調査で、昨年9月以降に約1億円を超える医薬品が使途不明になっていることから、県警は他人になりすまして医薬を都内の業者に転売、約6100万円を得ていたとして、7月26日(水)に、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)容疑で追送検していた。


9月1日の議会では、副病院長から「すでに被告の弁護人とは交渉を行っている、いま交渉しているのは示談交渉ではなく弁償について交渉しているところなのでご理解いただきたい。」という発言があった。


(経緯はこのあとも追加していきます)


次回の記事では、市立病院の医薬品の管理状況についてまとめてみます。


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