税金は税金
前回の記事の、市役所の建て替えにかかった金額に較べたら、これは小さな金額かもしれない。
だけど、これだって立派な税金だ。
新しくなった市役所の2階には、テラスのような小さな庭(屋上緑化)が作られている。旧庁舎にあった烏帽子岩のオブジェを移転して、周りに植物を植えている細長いスペースだ。
この僅かの緑化で、どれだけの断熱性や涼感効果があがっているのかは不明だが、このスペースに植えたエビネのほとんどを、管理する気のない市は枯らしてしまった。
さて、この緑化スペースのために、どれぐらいの税金がかかっているのだろう?
〈緑化の費用〉
★緑化(植物)の費用が、トータルで264万円。
★えぼし岩の移設費が、11万4696円。
★その他の部分の増築費用は、市庁舎の建築費用に含まれているので不明。
市庁舎の維持管理費(清掃・警備業務など)は、年間1億3000万円で、緑化スペースの管理費も一括して含まれている。
植えられている植物は、モミジ、シャクナゲ、ヤマツツジ、アシビ、ハコネウツギなどの樹木と、エビネ、シャガ、ヤブコウジ、キチジョウソウなど、山のものが多い。
えぼし岩なので、ハマヒルガオなど海岸植物のほうが生態的には似合うと思うが、そういう訳ではないようだ。
問題は、2階の庭のある場所は、夏は直射日光にさらされてカンカン照り、冬は寒く、強い風が吹きさらす場所で、エビネやシャガなどには過酷な環境。
エビネもシャガもほとんど枯れてしまい、他も葉が黄色くなってショボショボで何か可哀想。
植物に愛着のない市の管理
「市民に愛着を持っていただける場」というコンセプトで作られたこの場所を利用している市民の姿は、ほとんど見たことがない。
利用する市民にとっても、風の強い吹きさらしの場所で、何だか落ち着かない。
また、周囲には、子どもが飛び乗って遊びそうな高さの屋根が多い設計で、安全性については疑問。積極的に広報して、子どもに解放出来るスペースではないように見える。
市のズサンな植物の選定と管理、安全性に疑問のある設計が重なって、ムダな税金の支出となっている。「最少の経費で最大の効果」とは、まるで逆方向。
用地管財課は「枯れたら、また植え替えていく」と言っていますが・・・自分の家の庭に、自腹で植物を植えて、ロクに管理しないで数十万円を枯らしますか?
なんで税金だと、「枯れたら、植え替える」と言えるのか分からない。
こういう場合、市長か担当課が自腹で弁償するべきだと思う。税金をムダにしたんだから。
ちなみに、茅ヶ崎市の一人あたりの公園面積は、県でほぼ最下位に近い。
「みどりの少なさが目に余る」「公園を失った」・・・という声をあちこちから聞く。
市として、何が大切か、基本的な考え方に欠けているのだと思う。