茅ヶ崎ゴルフ場の「みどりの防波堤」 津波について

茅ヶ崎ゴルフ場と津波について

茅ヶ崎ゴルフ場の一部は、津波の浸水想定地域に含まれています。

茅ヶ崎ゴルフ場は、「火災時の広域避難場所であるだけでなく、津波の被害もくいとめる、自然の丘」としての機能を持ちます。 


もともと、ゴルフ場のあった場所は、「起伏の著しい、樹木のまったくない、雑草すら生えない、砂丘地だった」と言います。戦後の燃料不足で、松林を切りたおし、荒廃地となりました。

農地に適さない海岸の砂丘地のため、「松を植えて植林計画をする」という条件で、農協に土地の払い下げが決まりました。
(茅ヶ崎ゴルフ場は県有地が6割、払い下げ地が4割です) 

風の強いときには砂が飛び、どうしても防風林が必要な状態で、松の苗を植林し、昭和30年に「飛砂防備林」となりました。

その後、市より「小和田海岸にゴルフ場を建設したい」という申し出があり、名匠・上田治によりゴルフ場が設計されました。

歩いてみると分かりますが、あちこちに自然の高低差があります。
砂丘をそのまま生かしたコースでもあります。


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宮城「千年希望の丘」は茅ヶ崎ゴルフ場と同じ

先の大震災を経験した宮城県では「千年希望の丘」を作っています。まさに茅ヶ崎ゴルフ場のような場所を海岸に作る、というものです。

震災のがれきで人工的に15の丘を作り、防災林、居久根の杜(風よけ、吹雪よけなどの屋敷まわりの緑。津波被害の軽減となった)などの多重のみどりで、津波からまちを守るのです。

これも、まさに茅ヶ崎ゴルフ場内の何重ねもの松林であり、鳥が種を落として自然に育った、ゴルフ場の広葉樹です。


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震災のがれきで人工的に15の丘を作る(千年希望の丘)


千年希望の丘では、樹木の苗を植えるところからスタートしました。
しかし、その苗も半数以上が枯れてしまったようです。

いったん緑を破壊してしまったら、海岸という環境で復元するのはいかに困難なのか、分かります。

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千年希望の丘 苗を植えたところ

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半数以上が枯れてしまった・・

茅ヶ崎ゴルフ場は防災に強い地形

茅ヶ崎の海岸からは、134号線の隆起と砂防林の松林があります。

さらに、茅ヶ崎ゴルフ場の自然の丘や松など・・・、昔の地形を活かして作っているためゴルフ場は丘があり、これは災害に強いそうです。

確かにそうだと思います。

もしも、ゴルフ場が開発されて何かが建てられる場合、ゴルフ場の丘は削られて、平坦にされて、開発されるのは間違いありません。 

そうなれば、津波はますます街の奥まで流れ込み、さえぎる樹木も失います。 


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まさに「みどりの堤防」50年かけて育った樹木 茅ヶ崎ゴルフ場

「広い芝生が必要」被災地の考えかた

被災地での「芝生の広場」は、仮設キャンプ場、臨時ヘリポート、ボランティアセンター、給水場所、ペットの収容、あらゆることに使える広さがあります。

「広い芝生を作る必要がある」という意識が市民のあいだに高まり、可能な限り芝生化するそうです。

茅ヶ崎ゴルフ場は、すでにゴルフ場なので芝生です。芝生を作るためには、費用も管理の手間もかかります。また、茅ヶ崎の砂地に芝を定着させるのは大変なことなのです。 

被災地では育てようとしている芝生を、わざわざ剥がしてしまう開発は、たいへんな損失です、それでは、ゴルフ場を公園として残してほしい、という意見もありますが、すでに市長は「市営公園、県営公園にはしない」と言っています。 

藤沢の海浜公園のような公園は「公園管理には多額の税金がかかる」ので、県も市も始めからやる気はありません。
 
かといって民間企業が公園を管理するのでは、採算が取れません。そのため、開発が中心となり、ごくごく、ごく一部が公園として残されるだけという形になります。

また、民間企業にとって、みどりの管理には多額の費用がかかるため、後で転売されるなど緑が残る保障は何もありません。

そうして、街は、火災や津波への防災機能を、いちじるしく失っていきます。
 

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茅ヶ崎ゴルフ場の50年の年月で育った樹木、これをわざわざ切り倒す意味がありますか? 




生活に支障が出るほど環境が変わってしまう

茅ヶ崎ゴルフ場が開発されることになれば、茅ヶ崎海岸側の環境が激変するのは間違いないでしょう。

海岸の強風や潮にさらされ、砂が飛び、134号線の騒音にも住宅街は一気にさらされます。
 
防災上「広域避難場所がどうなるのか」という問題点だけでなく、さらに生活上の環境問題も抱えた、大きな激変を伴う開発です。

そして、「開発されたら、火災や津波に対してどうなるのか?」という、安全性へのシミュレーションやデータさえ今だに出していない、県の安全への無責任さという、さらなる問題があります。


「千年の丘」も被災地からは、「コンクリート堤防の上に、みどりを植樹しただけではないか?」などの声があります。
茅ヶ崎市も、自然の丘を開発で削り、生態系を破壊して、みどりをあえて伐採し、コンクリートを流し込むのでしょうか?
 

茅ヶ崎ゴルフ場の、強い海風に耐えて育った、ねじり曲がった松を見に来てください!
彼らの姿こそが、何がここで育つのか、自然の姿なのか、もの言わぬ証明者なのですから。 


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