やっと解消された渋滞のはず・・
国道134号線が、2車線だった頃・・・、相模川にかかる湘南大橋の手前からは、日常的に、慢性的な大渋滞となり、茅ヶ崎から橋を渡って平塚まで1時間は当たり前、事故渋滞でも起きれば2時間以上かかることもあった。
橋を渡るのが、ひと仕事だった渋滞を記憶してる人は多いと思う。
その後、湘南大橋も4車線化して、国道を4車線に増やす工事のために、海岸側の砂防林の松も一部伐採されて、みどりはずいぶんと薄くなってしまった。
平成27年には、江の島入口から大磯町の西湘バイパスまでの約15kmが4車線でつながり、以前に較べたら渋滞は解消されている。
それだけの税金投入と、みどりの伐採の犠牲を払っての、渋滞解消の工事だった。
橋の手前に2つの大型施設
現在、茅ヶ崎市は、湘南大橋の手前に「柳島スポーツ公園」を建設している。
平成30年3月にオープンの予定で、さらに、鉄砲道をはさんで「道の駅」の建設を茅ヶ崎市は予定している。
「柳島スポーツ公園」の駐車場は246台(有料:1h/200円)、道の駅は24時間オープンの駐車場・トイレ(無料)となる。
鉄砲道からのアクセスがメイン
位置的には、 橋の手前の、道路がカーブする見通しの悪い場所に加えて、圏央道の開通により交通量が増えている。現在も、週末の夕方などは、圏央道の入り口に向かって134号線が渋滞している。
具体的には、「柳島スポーツ公園」は、134号線からの直接のアクセスは出来ないので、鉄砲道(市道0121号線)からの出入りとなる。
道の駅は、上りは左折レーンをつくって、134号線からの左折イン・アウトは可能だが、下りから直接右折して道の駅へのアクセスは出来ず、スポーツ公園と同様に、いったん鉄砲道に入ってから道の駅にアクセスするよう計画している。
2つの施設のすぐ先には交通量の多い「柳島」の交差点がある。
加えて、見通しの悪いカーブの134号線と鉄砲道がぶつかる交差点が、2つの施設へのメインアクセスに使われることになる。
柳島スポーツ公園の渋滞・安全対策については、市と県警との交通協議で完結しているのだという。
では、さらに道の駅が加わったらどうなるのだろう?
設計入札だけは終えてしまっているようだが、「道の駅の動線計画については、渋滞・安全面を考慮しながら、横浜国道事務所、神奈川県など関係機関と協議をし、現在神奈川警察本部と交通協議を進めている」ということで、渋滞をひきおこして、周辺交通を妨げないかどうかの結論は出ていない。
しかし、結果的に渋滞すれば、茅ヶ崎市はどうするのだろうか・・・?
後になるほど解決できなくなる
市議会議員からも、懸念の声はあがっている。
「・・・気になるのは、国道134号、つまり国との協議も含めて根本的にここの問題を解決していかないと後世まで憂いが残るのではないか。そのあたりは後になればなるほど解決できなくなると考えると、もっと抜本的な安全対策を全庁を挙げて考えるべきだと強く思うが、いかがお考えか。」(平成28年7月 全員協議会)
道の駅は、来場者が多くなくては、利益があがらず採算がとれない。
しかし、来場者が多いほど渋滞を招くわけだし、反対に閑古鳥がないているのでは、維持管理の税金がムダになることになる。
また、2つの施設ともに、134号線と鉄砲道の交わっている交差点にアクセスが集中することが予想される。信号待ちなどの排ガスは、今までより悪化するのではないか?
結局のところ、こういった騒音や排ガスなどの環境悪化を、行政から投げられるのは住民・市民ということになる。
鉄砲道の問題は放置?
さらに、責任の所在もなく放置されているのが、鉄砲道について。
2つの施設へ134号線からのアクセスが不便であると分かるにつれて、或いは渋滞を回避するために、抜け道として「鉄砲道」に車が入ってくるのではないか?
「人に寄ってもらわなければいけないという側面もあるが、市内に流入する通過交通という部分も出てくる。・・・鉄砲道は夏になると渋滞で動かない可能性がある。通過交通の流入と人の呼び込みは相反するというところも問題になっているのではないか。どのような考え方を持っているのか。」(平成28年7月 全員協議会での議員発言)
結論からいえば、鉄砲道に関して市が責任を持って議論しているのは、2つの施設の出入り口の近辺についてで、施設のごく周辺道路だけのようだ。
鉄砲道は、市内を東西に結ぶ海岸側のメイン道路。
住民にとっては、中心となる生活道路で、交通量の増加や渋滞は、安全性や騒音・排ガスの問題などに直結してくる。
生活や環境に支障が出ないのか、鉄砲道全域としての安全対策や交通量のコントロールなどを考えていかねばならないのに、市役所のどこにもそのような所轄がない。
担当課としては「安全対策課」のはずだが、たとえば、茅ヶ崎ゴルフ場の開発問題でも、市民への説明会では「鉄砲道の交通対策は重要な問題」と言っていながら、市はどこにも責任を持って考える所轄を作っていないのが現状だ。