パブコメに自分の意見がのっていない
平成28年2月に、「茅ヶ崎市道の駅基本計画(素案)」について、パブリックコメントが募集された。
柳島に建設予定の「道の駅」の計画案について、市民からの意見をもとめて、それに対して市がコメントしたり、計画案に反映していくのだが、今回は46名から155件の意見が集まった。
「え?これだけ?」と思うかもしれないが、パブコメとしてはかなり多い。
★「道の駅」パブコメ実施結果
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/017/463/result-michinoeki.pdf
パブコメの実施結果を見ると、
• 道の駅の必要性を検討してほしい(本当に必要なのか)
• 事業として成り立つのか?
• こんなに施設ばかりが必要なのか?
• 計画の分析の甘さ、採算が取れる数字の根拠がない
• 24時間オープンの駐車場による環境の悪化
などの意見が目立つ。
しかし、道の駅のパブコメに意見を出したはずなのに・・・
『あれ? 自分の意見がのっていない』と思った方、いませんか?
今回の道の駅パブコメでは、「その他の意見」としてまとめられ、公表されない意見が20件、と多いのが気になった。
「いったい、どのような意見が公表されなかったのか?」
そのため、市から情報公開を取って、公表されなかった意見を調べてみた。
そして、その結果は驚くようなものになった。
(右)服部茅ヶ崎市長
公開されなかった市民からの意見
★以下は、「その他」として、市によって公開されなかった意見
「道の駅に税金を使う前に、子どもの医療費無償化や、中学校給食の導入を実施すべきです。25億円もの税金を使用するならば、茅ヶ崎市民が健康で豊かに暮らせるために使用するべき。道の駅建設に大反対です。」
「今、道の駅が必要でしょうか?もっと必要なところに税金を使うべきではないでしょうか?子どもに対する医療費や中学校の給食、児童クラブ、渋滞対策、歩道の整備、道の駅より優先するものがたくさんあると思います。」
「これだけ茅ヶ崎は小児医療費助成や学校給食など遅れているのに、道の駅なんかで大金を使うのには理解できない。家を買っていなければ、引っ越ししたいと思っている。子育てしにくい茅ヶ崎は、いつ変わるのですか?茅ヶ崎の名前ばかりを売ろうとして、住民の生活には無視している市長がなぜ当選するのかもわかりません。この計画には反対です。」
「子どもの医療費、中学校の給食、保育園不足の待機児童、他に税金を使って下さい。4年前に家を買い、藤沢から引っ越してきましたが、後悔しています。イメージのよい茅ヶ崎市なんですから、そういった環境を整えることを優先して欲しいと思います。道の駅、絶対反対です!」
「小児医療もさることながら、県内ぶっちぎりでワーストの待機児童数。通過する人も大事ではあるけど、一定期間住居をかまえる人への投資が先では・・・?またこの24億で保育所、および保育士の待遇改善に着手するつもりはないのか」
「24億円をかけて作る必要性は、説明会の中でも感じません。24億円を子育て(保育園の待機児童解消、中学校給食、子ども医療費無料化の年齢引き上げ)に使う必要があります。」
「市役所、道の駅などばかりに費用を使わず、小児医療や中学給食など、市民の暮らしやすい環境を整えるために税金を使ってほしい」
公開する、しないの基準は?
いったい、どういう基準で、市民の意見を「公開する、しない」が判断されるのだろう?
非公開となる基準は以下の3点。
① 単に賛否だけを示す意見。これは、単純に「賛成」「反対」と書かれたもの。
② 事案と直接関係のない意見。
③ 個人情報、中傷などが含まれるもの
市は、パブコメ募集時に、この「公開・非公開の基準」はHPにのせていない。
意見を提出する市民は、基準を知らされていないし、スポーツでいえばルールを公開しないで試合をしているようなものだ。
「反対」の言葉が含まれているとしても、上記の非公開となった意見はその理由がきちんと書かれているし、「大いに賛成である」との意見は逆に公開されている。
内容的にも、道の駅の工事費24億に関連するもので、基本計画と関係のない意見とは、とうてい思えない。
担当課の職員のその場の基準や判断によって、市民からの意見が公開、非公開と選別されているのも大きな問題があるし、パブコメとして公表する、しないは副市長、市長の決裁になる。
なので、
*市長や副市長の意見に追従する職員が、意図的に市民の意見を選別する
*市長や、副市長が決裁するパブコメの意図的なコントロール
と考えるしかない。
このようなやり方で、他のパブコメでも「その他」の意見として非公開にしてしまったものは多数あるのだろうか?
ちなみに、市の説明では、道の駅からは、富士山も見えない、海も見えないのだそうです。
また、道の駅については、予定では工事費24億7540万円。
(土地の取得費が4億8000万。)
職員は「補助金が出ます」と言うが、茅ヶ崎市の負担分は16億8532万円。
いずれにしても全体の7割は、市の税金での負担となるし、毎年の維持管理費にいたっては、金額すら答えられない。
県内ワースト待機児童、中学給食なし
昨年10月の茅ヶ崎市の待機児童は196人。横浜市の292人に次いで県内ワースト2位だった。
茅ヶ崎の人口が24万人、横浜が373万人という規模から考えると、県内ワーストといっていい数字だ。
小児医療費の助成についても、小学校3年生までの茅ヶ崎市は、近隣の市と較べても以前から格差がある。
横浜市、川崎市が対象年齢を小学校6年生まで拡大するとしていて、県内で見ても茅ヶ崎の低さは目立っている。