湘南に住もうと思うなら、松林と住む話

『湘南』には、 実は「松林」こそなくてはならないもの、なんです。

サザン姉・えり子さん 茅ヶ崎への「先見の明」 カーメル

前記事の続き
あの時サザンの姉、えり子さんが茅ヶ崎市長になっていれば・・・ - 湘南に住もうと思うなら、松林と住む話

サザン桑田さんの姉、えり子さんが結婚後にアメリカに渡り生活した場所が 
カーメル・バイ・ザ・シー Carmel-by-the-Sea(略してカーメル。)


サンフランシスコの南、約200kmにあるモントレー半島、
その半島の北側にあるのがモントレー、南側にあるのがカーメル。
海に面した芸術家や作家の集まる小さな街。

かつての湘南と似たような街の成り立ちかもしれない。
(どことなく鎌倉を思わせる街の雰囲気、とえり子さんは書いている。) 

だけど、決定的に茅ヶ崎と違うのは
カーメルは観光地として、海岸線と街並の美しさを徹底したこと
だった。 


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カーメル・バイ・ザ・シー

茅ヶ崎でカーメルのような街づくりをしたい

カーメルは、クリント・イーストウッドが市長の時に、
ネオンサイン、派手な看板、信号機さえ無い街づくりをめざした。


えり子さんは本の中で書いている。
「カーメルの海岸線は本当にきれいだった。
青く澄んだ海、長く続く白い砂浜、緑の森林。そこには「あるがまま」の自然が保たれていた。

1年の間に800万人もの観光客が訪れる。だからこそ、自然保護が徹底しているのだ。
たとえば、自然を残すため道路の整備は最小限にとどめ、自分の庭たりとも直径15cm以上の樹木を切るときは、近隣の家と市の許可が必要。
自然を守るために、まず優先されるのは ”何も手を加えない” ことなのだ。」 


美しい街並を守ろうとする住民の努力も半端ではない。
景観を守るために「独自の規制」をつくり、そうして美しい自然と人々の暮らしが、独自に調和した街が造られていった。 


派手な看板や、ネオンサインが非常に少なく、美しく落ち着いた景観の街。
芸術家も多く移り住んで、ギャラリーが多いこと、
レストランもお洒落な店が多く、道路標識からゴミ箱までが木製で、
それらが独特の落ち着いた街の雰囲気をもたらしている。


すべてがカーメルと同じとはいかなくても、
「茅ヶ崎でそれができないものだろうか?」
真剣に考えたのが、えり子さんだった。



今や街の「戦略」としての「自然保護」は当たりまえ

カーメルは、観光地としての「戦略」=「自然保護」が徹底されて、成功を収めた街、と言えるのだろう。

このような戦略として「自然保護」や「街の景観」が徹底されるのは、カーメルだけではない。
今や大人気の北欧や、イタリアなどヨーロッパ諸国、当たり前の戦略となって、世界中あちこちの街で見かける。
 
たとえば、日本での北欧人気によってフィンエアーは、日本支店の売り上げが、フィンランド国内を超えてしまった。
北欧の自然保護とデザイン性、生活スタイルの魅力などが、フィンランド自国の利益につながっている。

こうして較べてみると、きっちりとした戦略もなく、
ただ「にぎわい」とか「まちづくり」とかハコモノ作りの理由を作り続ける、茅ヶ崎市のレベルの低さがよく分かる。

「持ってる人」の先見の明

茅ヶ崎で景観を守る活動をしていた当時は、
えり子さんの考え方をただの理想論のように思っていた人もいたようだ。

しかしえり子さんの没後に、こうして年数がたってみて
今の茅ヶ崎の惨憺たるありさまを見れば、

「海岸それ自体の魅力と景観で、観光客を呼ぶ」
というビジョンが、
いかに「先見の明」だったか
センスに溢れた魅力的なことだったか納得できる。 



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カーメル・バイ・ザ・シー 木製の看板のみ

来日アーティストの通訳をしてきたほど、えり子さんは英会話も堪能。
その人柄でセンスと知識に溢れた、市民ブレーンも集まっただろう。
海外との連携のために出張したとしても、通訳などいらない。
 
今だにホノルル姉妹都市提携で、お役所旅行を繰り返し、お金を払ってホノルルブランドがどうこうという発想とは、まったく違う。

まちづくりには、才能や、センス、語学力も要求される。  
サザンの姉弟には、そういう類いの能力がやはり何かあるのかもしれませんね。
「持ってる人」なのでしょう。


「持ってない」市長と行政に先導された茅ヶ崎市は、
その場限りの利益を求める開発によって浜の魅力を失い、神奈川県下一のクラスター火災地域になり、2万戸が焼失するほど、家が密集するだけの、ジリ貧の、みじめな町、になってしまった。

「茅ヶ崎」というイメージだけを利用して、
乱開発のたびに大切なものを失った街は魅力を失い、巨額のハコモノ開発だけに、税金が使われる街に変わってしまった。


ほんとうにほんとうに
えり子さんに生きていて欲しかった。茅ヶ崎のためにも。

 
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