屋内プールのガラスが突然割れた 茅ヶ崎市

原因は特定できていない

茅ヶ崎市萩園にある室内温水プールの強化ガラスが突然割れ落ちて、小学生5人が軽いけがをする事故があったのは、先月6月27日のことです。市のHPにはこの事故によるプールの臨時閉鎖のお知らせが掲載されていました。

そのあと、新聞記事やニュースには出なかったのを不思議に思っていたのですが、事故発生から2週間たってから、やっと7月10日に、茅ヶ崎市の記者発表資料が出ました。

その後、NHKをはじめマスコミ各社のニュースに報道されましたが、「ケガをしていたことが分かった」という表現の報道が多かったことからも、本来ならもっと早い段階でニュースになるようです。

ふつうなら警察から記者に情報提供があり取材に行くところ、今回、警察は「茅ヶ崎市に任せている」と言って情報提供はなかったようです。

茅ヶ崎市の文化生涯学習部長は、「けが人が出たことを重く受け止めている。しっかりと安全対策を講じて早期に営業を再開させたい。もっと早く公表すべきだったと反省している」とコメントしています。

プール室内上部のガラス76枚を、「920万の予算で合わせガラスに交換する」ことで破損が防止できるという報告ですが、結局のところ、原因は未だに特定出来ていません。 

市の建築課と建設施工業者による検証はあったようですが、「設計や構造に関して第三者の調査が入っている」という報告はありません。


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当初の建設費の1.5倍となった施設

萩園温水プールは、当初6億円の予算だったものが1.5倍の9億円に増した経緯があります。

平成21年4月30日 屋内温水プール建て替え工事 
亀井工業(株)が4億6500万円で落札
(対予定価格99.50%)


市長の市議会での答弁によると、工事費が増額した内訳は
*屋内温水プール建設工事費 約8億7000万円 
*敷地西側市道の道路幅を拡げる工事費 約2000万円
*萩園西公園移設整備費 約1000万円

合計で約9億円となったのですが、そのほとんどがプール建設工事費の増額によるもの。
要因としては、想定以上の延べ床面積増や環境配慮型の施設を目指したことによるといいます。

その内容は、

*プールサイドの面積など約253平方mの増 約8700万円 
*エレベーターの設置と、高齢者や体の不自由な方も使える「みんなのトイレ」 1億2200万円 
*トレーニングルームとその更衣室 7700万円
*ジャグジー、集会施設
などで、大幅な予算の増加になっています。

市は「厳しい財政難」だと言いながら、大幅な予算の割り増しです。

これに対して、ごく一部の議員以外には、「議員の質疑もほとんどない状態」で予算が通っています。 

専門的なチェックは入っていない施設

プール完成後、平成23年に東日本大震災がありました。

今回の室内温水プールは、プールを設計した実績のない事業者が設計しています。市の担当課にも、プールとしての設計図面をチェックできる職員はいないし、第三者に専門的なチェックも依頼していません。

事故後も、プールそれ自体の機能についてや、プール以外の機能を持たせている点など、設計や構造上の安全性などは大丈夫なのか、東日本大震災の揺れに対してのダメージはなかったのかなど、第三者に調査依頼は行っていません。ただガラスを入れ替えるだけの処置となっています。 
 
また防災の観点から、プールのほぼすべての窓が開閉できないこと、換気扇の数が足りないのではないかなど、以前から指摘があります。


ホノルル姉妹都市提携での副市長の事故の時もそうでしたが、市はすみやかに情報を市民に知らせていませんし、ほとんどの市議会議員はノーチェックです。

今回も、初動で市役所の部長が事故から2週間も遅れて記者発表をしています。


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