茅ヶ崎ゴルフ場の開発問題・その1

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ここに開発許可を出すなら行政による人災

トップの写真は、上が1977年の茅ヶ崎、下が現在の茅ヶ崎の姿です。

緑がなくなり、住宅がびっしりと建て混みました。

これが、県で最大のクラスター・延焼火災地域、茅ヶ崎市の姿です。


黒岩県知事はこの事実に驚き、県の職員からは
「ここまでひどいクラスターにしたのは茅ヶ崎市」と言われ、

防災緑地の専門家、愛媛大学二上透先生は、
「危機認識を持っていながら、ここ(茅ヶ崎ゴルフ場)に開発許可を出したなら行政による人災」と県に意見書を提出してくださいました。 

逃げ場があるでしょうか?

このびっしりと家が建て込んだ密集地で・・・
ひとたび震災で延焼火災が起きたときに、逃げ場があると思いますか?

延焼火災の熱から身を守るには、校庭の広さの「避難所」では足りません。
さらに広いスペースの「広域避難場所」が必要なのです。 


もういちど、上の写真を見てほしいのです。
右下の、広域避難場所である「茅ヶ崎ゴルフ場」
ここがなくなったとしたら・・・それでも、私たちの安全は守られますか? 

茅ヶ崎のイメージは「ゴルフ場」でスタート

茅ヶ崎ゴルフ場は、「小和田海岸に大衆ゴルフ場を建設し、名実共に文化都市として愛される茅ヶ崎市を創造する念願により」、市が県有地4万坪と、農協の払い下げ所有地を借り受けて、昭和32年にスタートしました。

茅ヶ崎のイメージ作りの先がけは、なんとサーフィンよりも「茅ヶ崎ゴルフ場」でした。 

当時のゴルフ場の土地は、農地に適さない起伏のある砂丘地で、風の強い時は砂粒が顔を覆うほど。
農地のためにどうしても防風林・防砂林が必要で、先人の方が苦労して松を植樹されたそう。
まさに、砂まじりの茅ヶ崎です。

しかし、開発でその松などを伐採したら、いったいどうなるのでしょう?


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その後、市がゴルフ場の運営から撤退。

観光日本(株)が長らく運営を続けてきましたが、今まで35年間、ゴルフ場をやめるとか開発するという話はなく、存続してきました。 

そのゴルフ場が、突然閉鎖になるという・・・

周辺住民には、寝耳に水の話だった。

「なぜいきなり閉鎖になるのか?」

市の説明は、「観光日本よりゴルフ場の運営から撤退することが、県と茅ヶ崎協同に伝えられた」というもの。

では、「なぜ撤退することになったのか?」

それは、はっきり分からぬまま、時間だけが過ぎていったのです。

そういうことを市民に知らせるべき

昨年の平成26年5月30日、県から市に「県有地の買い取りを打診する書面」が届きました。以下の内容です。

「県の利用要望がある場合は県の利用を優先、県の利用要望もなく、市の取得意思もない場合は、一般競争入札による民間活用を検討する」 

そして6月18日に、市は「買い取る意向がない」という回答書を県に送っていた。
つまり、「買い取る意向がない」と同時に、「一般競争入札による民間活用を検討する」ことを承知したのです。


しかし、「これは重要なことでない」として、
この事実を市は議会にも、住民にも報告しなかった。

いったい、このことの、どこが「重要でない」のでしょうね。


そのあと、8月18日の全員協議会で、副市長が
「茅ヶ崎ゴルフ場については、約20万平方メートルもあり、市が購入するのは不可能で、ましてや県から打診されたこともなく、軽々な発言はできない。」と答弁。しかし、前述のように県からの打診は5月30日に受け取っています。

8月25日の議会で、市長は、
「7月に茅ヶ崎市、神奈川県、茅ヶ崎協同で協議を行い、今後の土地利用を考えるに当たって、計画段階から3者の協議を進めていくことを確認した」と発言。

議員の追求(といっても、追求した議員は1名だけ)によって、やっと発言。

だから、「なぜ、そういう重要なことを住民に知らせないのか?」とさんざん言われたのは当然です。

市民参加については、
「できるだけやわらかい段階から市民の皆さまに情報提供を行い、ご意見を伺う機会を設ける」と市長は発言。

しかし、最初の「意見交換会」がひらかれたのは、なんと10ヶ月後!の平成27年6月。

そのあいだ、市長はじめ職員・議員、さんざんホノルルに行っていましたね。

いきなりの紙きれ一枚の報告

この時期、市長も副市長も企画部長も、一部の議員たちも、9月の柳島スポーツ公園の入札事業者の決定と、10月のホノルル姉妹都市提携にはたいへんにご熱心でした。(木村副市長のサーフィン中の死亡事故の報道と記者会見もありました。)

市民の命を守る問題である「広域避難場所」については、まったく後回しでした。

その無関心さは、ほとんどすべての市議会議員も同様で、行政が市民に情報を共有しない、公開しないことをチェックする訳でもなく、11月の市民質問に「まだ何も決まっていない、民民の問題」と答える始末。


その後も、住民側には情報がないまま時間がすぎて、
平成27年1月にいきなり、市から紙きれ一枚の報告がありました。

「茅ヶ崎ゴルフ場の利活用に関する今後の進め方について」
利用方法はこれから民間事業者から公募でアイデアを募集し、神奈川県、茅ヶ崎市、茅ヶ崎協同(株)の3者で決める。


しかし、住民側の調査が進んでくると、驚くべき事実がいくつも、いくつも出てきたのです。

(続く)


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