市民でジャッジ!「柳島スポーツ公園」茅ヶ崎市 その3(競技場・テニスコートなど)

総合競技場について

平成21年のパブリックコメントで、市民から最も要望が多かったのが、
「芝生のサッカーグラウンド」
次いで「テニスコートの面数を増やしてほしい」というものでした。

何度も書いてますが、すでに100億円を超える税金投入している事業なのに、建設前に市民の意見を広く聞いたのがこの1回のパブコメだけ、というのはあまりにお粗末。アンケートレベルにすぎず、とても意見を聞いたと言えるパブコメではないです。 


天然芝の要望が多かったサッカー・グラウンドですが、人工芝が採用されることは「基本計画」の段階ですでに決定されていました。

テニスコートのサーフェスについての、初期段階での市民との意見交換もなし。

テニスコート面数は4面ですが、事業者のスクールを行うと市が決定しているので、市民の使える実質時間は減ります。(サッカーも同様にスクールが入ります。)これもまた同様に、事前の市民との意見交換はなしです。

今回の事業については、ほとんどすべて決定してから市民への事後報告となっています。


入札の採点結果として、次点のミズノが提案した、箱根駅伝のイベントやオリンピックイベントで陸上施設を使う提案には高い得点がついていません。陸上提案のほとんどない事業者の落札となっていると思います。 

どのレベルの試合や使用を想定した競技場なのか、陸上とサッカーを併用した競技場のメリット・デメリットなど、市民側で話し合いをしたいことは山ほどあったと思います。

しかし、そのような話し合いの場はいっさいなく、市側が計画の早い段階での市民参加を怠って進めていったスポーツ公園建設と言えます。

★初期段階で、市民との意見交換がまったく行われないなんて! 驚きますネ!


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上イメージ図2枚:亀井工業ホールディングスグループ(以下K社) 
の提案した総合競技場。

第4種競技場(サブトラックなし)

サッカーやラグビー、陸上に対応した総合競技場。
全天候型、投てき対応人工芝、夜間照明、メインスタンドは屋根付きという仕様。(観覧席は1284席、うち車いす利用12席)

陸上の投てき対応の人工芝なのだが、投てき用の人工芝は硬く球技に適していないので、アレンジを加えたものを採用。

茅ヶ崎の海風景、船のマストや白い帆をイメージしたシンボリックなデザイン。
客席の最前列はグラウンドと同じ高さとなるフラットタイプ。
競技場の北側と西側は、スポーツ観覧できる芝生の斜面。

とはいえ、4種ある競技場区分では、もっとも下の第4種なので、開催できるのは学校関係の競技会がメイン。


(追記)
2016年2月
全文表示 | 「人工芝に発がん性物質」米政府調査 サッカーのゴールキーパーに患者続出 : J-CASTニュース

茅ヶ崎市も安全性についてのコメントを出したと思いますが。



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上イメージ図2枚:次点のミズノグループ(以下M社)の提案。


M社の提案は、芝生の観覧席がスタンドをぐるっときれいに取り囲んでいるデザインなので、芝生席が広い。

屋内走路、トレーニング用傾斜路が提案され、波のうねりをイメージした曲線を用いるなどの統一感が評価されていた。

また、「スタッフの救急体勢」として、M社は毎月の訓練と毎日の簡易訓練を行うとのこと。スポーツ時に必ず起こる熱中症対策、高齢者の事故などへの対応については、M社の方にやはり経験や専門性を感じた。

テニスコートはハードコートが4面

K社(落札事業者)の提案

*コートサーフェス・・・ハードコート (デコターフ) 
*デジタル式スコアボード設置
*コートは4面横並びで、試合観戦のできる階段状の観客席。
(コートと観客席の間は、開閉式のカーテンネット)


「デコターフ」は USオープンやオリンピック、有明などで使用されている本格的な仕様のハードコート。

しかし、パブコメでは市民からオム二コートの要望が多く、軟式テニスの利用も明らかに事前に分かっていたはずです。

また、市は「市民の意見を反映させた要求水準書」と言っているのに、要求水準書にはサーフェスは指定されておらず、事業者の提案によるとされています。なぜサーフェスの指定を市は入れなかったのか、経緯が不明です。 


市は「事前にテニス協会など団体の意見を聞いている」と再三に渡って言っています。(市民プレーヤーの民間団体は含まれていません)

にも関わらず、
*「要求水準書」に、硬式とソフトテニスが共用するという条件指定がない。
*「車いすテニス」対応についても記載なし。

結局、入札の前に市民との意見交換の場を設けて、市民の意見を吸い上げていないので、こういうことになるのでしょう。


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事前に知らされていない優先利用枠

また、大多数の市民は、一般的な「市営のスポーツ公園」とイメージしているでしょう。

競技場の建設費などは民間の資金を利用しますが(市が民間に借金する形態)、最終的にはすべて税金で返済します。(民間への借金として返済するので、かえって高くつく、はじめから市が自分で借りた方が安上がりなのでは?という意見もアリ。)

毎年1億円ほどになる維持管理・運営費は税金で支払われ、落札した事業者が、向こう20年間の維持管理もしていきます。


そして、サッカーグラウンド、テニスコートの施設は、市民がすべて優先利用できる訳でなく、「事業者のスクールの優先利用」を市は認めています。

認めているというより、スクールを必須でやるように市が指定しています。

つまり、スクールの時間帯は、市民はコートとグラウンドを使えません。 

このことも、市民にまったく周知されていないと思います。

パブコメでの圧倒的な要望であった「コート面数を増やしてほしい」に反して、実質は市民の使用できるコート時間はかなり減ります。

市は、「土日にコートを取りにくいという認識がある(審議会)」と発言しているのに、理解に苦しみます。 
 

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上イメージ図:M社の提案のテニス施設

参考にM社の提案したテニスコートを見てみましょう。

1面ずつ独立しているオム二コートです。

柳島スポーツ公園では、海岸と相模川からの強風が予想されます。

海岸近くで4面横並びは、強風でボールが隣の隣のコートにまで転がり、プレーどころでなくなることも多く、その点、一面ずつの独立したコートは落ち着いてプレーできます。 
また、ボール出しで練習する際は、ボールが散らばらない利点も。




公園とは名ばかり・・・?

「市民ひとり当りの公園面積」は、茅ヶ崎市は県で最下位に近いです。

今回も、施設建設、駐車場が優先になり、子どもの遊べるフリーな広さや、緑の面積としては、「緑地や公園スペースは最低限しか取れなかった」という結果になっています。

100億円を超える税金の事業でありながら、積極的に公園とみどりを増やせなかった市の施策はお粗末です。

K社の提案した公園

《全体的な配置》
*競技場の南西側に「コミュニティ広場」
コミュニティ広場は、敷地が三角形の広場。子供たちに人気のふわふわドームを設置。

*北側スペースは「臨時駐車場」と「健康広場」
健康広場は、臨時駐車場としても利用する。

*南側(海岸側)はクラブハウスと駐車場
*市道側はワシントンヤシの並木
*東側(農地側)はアラカシ、ヤマモモなど実のなる樹木。
*南北の駐車場を結ぶ道路の両側に高木。
 
緑比率は30%以上。
クラブハウスとコミュニティ広場はイロハモミジ。テニスコートのシンボルとなるイチョウ。防風や目隠しの樹木、ハーブ園。

M社の提案した公園

《全体的な配置》
*北側に公園を集約した広いスペース。
*南側のみに駐車場を集約
*東側(農地側)にガーデンゾーンを設ける。

北側が公園、南側のみ駐車場とスペースを集約しているので分かりやすい。

北側は桜並木、オープン植栽エリア
東側に環境保全植栽とガーデニングエリア
西側に遮蔽と防潮植栽エリア 
南側にヤシなどシンボル植栽エリア


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M社 曲線でまとめたデザイン

道路(駐車場)を優先か、緑を優先か

M社は、配置や動線を集約することにより、「園路(公園内の車道)を使わなくとも運営ができる」という提案をしたのですが、この動線は評価されませんでした。 

K社は、エントランス(入り口)からクラブハウス脇を通り、南北を結ぶプロナードや、駐車場を結ぶ公園内の車道を提案しました。 


いずれにしても、柳島スポーツ公園の6.5ha の広さでは、「市が作った基本構想には無理がある、10〜15ha ぐらいなければ、具体的に実現するのはむずかしい」という委員会での有識者の指摘もありました。

あれもこれも、実現させたような提案になっていますが、実際は、施設優先、駐車場優先になり、子どもの遊べるフリーな広さや、緑の豊かな公園としては、「緑地や公園スペースは最低限しか取れなかった」という結果になっています。


「どういう公園をめざしたいのか」というビジョンは見えません。 


スポーツ施設の建設立地としては、海岸からと相模川からの烈風が吹き込みます。134号線沿いの交通量のひじょうに多い場所で、砂つぶと、車の鉄粉も飛んできます。

そして、柳島スポーツ公園の隣には「道の駅」がさらに建設されます。  

これって・・・市民にとって安らぎのある公園になるのでしょうか? 

あれもこれも詰め込んで、人を呼び、駐車場を増やし、道の駅と連携させて事業者の利益優先の公園になってしまっているのでは・・・?
 
どういう公園をめざすのか、めざしたいのか、市民と何も話し合われなかった結果ではないでしょうか?
  

入札を審査した委員の講評はこちら
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/912/03_kouhyou.pdf


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